月末の経理チームは決まって同じことに時間を使っている。数字を拾い、集計して、前月比を出して、最後に「コメント」を書く。数字を揃えるまでに1時間、そこから文章にするところでまた1〜2時間。毎月同じ作業なのに、なぜかゼロから書き直している。
2026年8月6日、ChatGPTの無料版でテキストのやり取りが制限なしになりました。ファイルのアップロードや画像生成は引き続き制限がありますが、文章の生成や分析を頼む分には、コストゼロで回数を気にせず使えます。
数字を貼るだけで月次コメントが出てくる
ExcelやBIツールで集計した数字をテキストとしてChatGPTに貼り付け、「経営向けの月次報告コメントを書いて」と添えるだけで下書きが出てきます。
最初に役割と条件を伝えると精度が上がります。「あなたは製造業の経理担当者です。以下の月次実績をもとに、取締役会向けのコメントを200字以内で書いてください。前月比と前年同期比に必ず触れ、来月の見通しを最後に1文加えてください」。この指示を冒頭に固定したテンプレートを1本作っておけば、毎月数字を差し替えるだけで使い回せます。数字の渡し方はExcelからコピーしたテキストでも、「売上4,800万円、前月比+6%」のような手入力でも問題ありません。
この方法で、月次報告のコメント作成時間が2時間から30分以下に縮まった経理チームがいます。指示文の精度を上げるほど、修正が少なくなります。
ひろぎんHDが7万5,000時間削減した定型報告書の自動化
ひろぎんホールディングス(広島銀行グループ持株会社)は、ExcelやBIツールのデータを自動的にPowerPoint報告資料に変換するAIエージェントを導入し、年間7万5,000時間の業務削減を見込んでいます。毎月手作業で作っていた定型報告書を、AIが生成する流れに変えた事例です。
同社が使っているのは専用の業務AIですが、テキストで完結する「コメント作成」部分はChatGPT無料版でも同じことができます。週次報告書を5分で仕上げる方法と同じ考え方が、月次の財務報告にも使えます。
毎月使い回せる指示文を、今月1本作る
今月の月次報告で一度ChatGPTを試し、うまくいった指示文をそのまま保存しておく。来月はコピーして数字だけ変える。これだけで翌月から作業のスタート地点が変わります。
ゼロから文章を考える必要がなくなるのは大きい。ChatGPTが出した初稿に手を入れる作業になるので、月次報告の仕上げにかかる時間が変わります。ただ数字を確認するだけだった報告書の時間が、財務数字を「解釈する」時間になる。その変化が、意外と大きい副産物です。
コピペで使えるプロンプト集
① 月次報告書の取締役向けコメントを自動生成
月末の月次報告書コメント作成
あなたは【業種:製造業/サービス業/小売業】の経理担当者です。以下の月次実績数値をもとに、取締役会向けの月次報告コメントを200字以内で書いてください。 【条件】 ・前月比と前年同期比の両方に必ず触れる ・数字は具体的に記載する(%表記を含む) ・ポジティブな変化とリスク・課題を両方含める ・来月の見通しを最後に1文加える 【月次実績】 ・売上高:【金額】、前月比【%】、前年比【%】 ・営業利益:【金額】、前月比【%】 ・主要費用の変動:【例:人件費+3%、広告費-15%など】
② 費用増減の原因分析文を経営会議向けに作る
費用項目の増減理由を経営者向けに説明する文章作成
以下の費用項目の増減データをもとに、経営会議向けの「費用増減の主な要因」セクション(150〜250字)を書いてください。 【条件】 ・数字を具体的に引用する ・増減の原因を推測ではなく事実ベースで記述する ・定型的な表現を避け、この月の固有の状況を説明する文体にする 【費用増減データ】 ・【費用項目名】:前月比【+/-金額・%】、主因:【例:採用2名/広告出稿増/仕入れコスト上昇など】 ・【費用項目名】:前月比【+/-金額・%】、主因:【内容】
③ 月次KPIの経営サマリーを3段落で作る
月次KPIレポートの冒頭サマリー作成
以下のKPI実績をもとに、経営会議の冒頭で読み上げる「今月のサマリー」を3段落(各1〜2文)で書いてください。 【フォーマット】 1段落目:今月の総括(最重要ポイントを1文で) 2段落目:良かった点と改善が必要な点を各1文 3段落目:来月へのアクション(具体的な行動を1つ) 【KPI実績】 ・【KPI名】:目標【値】に対して実績【値】(達成率【%】) ・【KPI名】:目標【値】に対して実績【値】(達成率【%】) ・特記事項:【例:大口案件の受注/費用の一時増など】
月末の「またコメント書かなきゃ」って感覚、本当によくわかります。毎月同じ数字なのに、なぜかゼロから書いてしまう。
数字を揃えた後の「文章にする」部分って、実は一番エネルギーを使うところ。そこをChatGPTに任せると、自分が使う時間が「解釈」に集まってくる感覚があって面白いです。
今月の報告書で一回だけ試してみてください。「あ、これでいいのか」ってなる瞬間が来ます。