来月の管理職向け研修の設計を頼まれた。受講者の課題を聞き取り、学習目標を設定し、セッション構成を組み立て、スライドを作り、研修後のフォロープランまで書く。担当者一人の1週間がこれで埋まります。

最初の壁は、ニーズ分析にある

研修設計でいちばん時間がかかるのは、資料作成より前の段階です。「受講者が何を課題と感じているか」を整理するニーズ分析。人事データ・上司フィードバック・過去のアンケート——素材は揃っているのに、それを「学習目標の言葉」に変換するまでに時間がかかる。

ClaudeやChatGPTを使うと、ここが圧縮されます。受講者の業務内容・等級・課題感を箇条書きで渡すだけで、「学習目標3つ・セッション構成案・評価基準のドラフト」が5分で出てきます。白紙から考えるより、たたき台を修正するほうが確実に速い。

課題分析→資料→フォロープランを1セッションで回す

実際の手順はシンプルです。

Claudeに渡す情報は「受講者の職種・等級・業務の概要」と「研修の目的」の2点。「この情報をもとに、2時間の研修の学習目標・セッション構成・各セッションのキーポイントを提案してください」と指示すると、構成案が出てきます。

次に「上記の構成をもとに、各セッションのスライド骨格(見出しと要点3〜5つ)をHTML形式で作ってください」と続けます。これでスライドの骨格が完成します。

最後は「この研修を受けた受講者が、研修後1週間・1ヶ月・3ヶ月でそれぞれ実践すべき行動と、上長が確認できるアクションポイントを作ってください」と指示します。フォロープランも出てきます。3つのステップ合計で1〜2時間。従来3日かかっていた作業が、これで回ります。

ホンダが実証した「知識をAIに渡す」発想

ホンダはIBM watsonxを使い、熟練エンジニアの技術ノウハウをAIで体系化する取り組みを進めています。その結果、知識モデリングにかかる時間が約67%短縮されたと報告しています(IBM ケーススタディ)。「誰が何を知っているか」をAIが読み取れる形で渡すと、AIが整理・再構成してくれる。L&D担当者の研修設計も、構造は同じです。

自社の人材データや業務内容をAIに渡し、学習設計の骨格を作らせる。そこに担当者の「文脈の判断」を重ねていく分業が成立すれば、研修設計の速度は根本から変わります。

AIが作るのはたたき台、あなたが仕上げる

自社の用語・文化・受講者の前提知識はAIが知りません。AIが出したドラフトを見て「ここは自社では通じない」「この例は的外れ」と修正するのが担当者の仕事です。この役割分担が決まれば、週次報告の自動化と同じ原則で、研修設計も一段速くなります。

研修担当の方、本当にお疲れ様です。「誰かに頼めるわけでもない」一人作業で、締め切りだけが迫ってくる感じ、よくわかります。

でも、AIに渡せる部分って、実はこんなにあるんです。ニーズ分析も、構成案も、フォロープランも——骨格さえ出てきたら、仕上げはぐっと楽になります。

まずプロンプト1本だけ試してみてください。「あ、これ使えるな」と感じるはずです。

コピペで使えるプロンプト集

① 受講者のニーズを研修設計に変換する

研修企画・ニーズ分析フェーズ

あなたは社内研修の設計コンサルタントです。以下の受講者情報をもとに、研修設計に使えるニーズ分析レポートを作成してください。

【受講者属性】職種:【例:中堅営業担当】、等級:【例:一般職3〜5年目】、業務内容:【例:新規顧客開拓・商談対応・CRM入力】

【課題・背景】【例:クロージング率が低く、商談後のフォローが属人化している】

【研修の目的】【例:商談スキルの底上げと、フォローアップの標準化】

出力形式:①学習目標3つ ②2時間研修のセッション構成(セッション名・所要時間・ねらい) ③評価基準のドラフト

ステップ①から順に出力してください。
人事・L&D教材設計

② 研修スライドの骨格を一括生成する

研修資料作成フェーズ

以下の研修セッション構成をもとに、各セッションのスライド骨格を作成してください。

【研修テーマ】【例:新任管理職向けOJT設計研修】

【セッション構成】(先のニーズ分析で作成した構成案を貼り付け)

各セッションについて以下の形式で出力してください:
・スライドタイトル
・カバーすべき要点(3〜5つ)
・受講者への問いかけ(1つ)

全セッション分まとめて出力してください。
人事・L&D教材設計

③ 研修後のフォローアップ計画を自動生成

研修後の行動定着計画策定

以下の研修内容をもとに、受講者が学んだことを実践・定着させるためのフォローアップ計画を作成してください。

【研修テーマ】【例:データドリブン営業の基礎】

【主な学習内容】【例:CRMの活用・週次振り返りの習慣化・数字で語るコミュニケーション】

【受講者の上長の関与度】【例:月1回の1on1のみ】

出力形式:
・研修後1週間の実践アクション(3つ)
・1ヶ月後に上長が確認すべき行動指標(3つ)
・3ヶ月後の定着度確認項目(3つ)
人事・L&D行動定着