Lumen TechnologiesがMicrosoft Copilot for Salesを活用し、営業担当者の顧客リサーチ時間を4時間から15分に短縮。営業チーム全体では週4時間の節約を実現し、年間換算で5,000万ドル相当の時間を創出した。

調べる時間が営業の本業を奪っていた

Lumen Technologiesは北米を中心にエンタープライズ向けネットワーク・クラウド接続サービスを提供する大手通信会社だ。数千人規模の営業組織を抱え、顧客への提案スピードと質が競争力の核心にある。

問題は時間の使い方にあった。営業担当者が顧客訪問前に行う「企業調査・業界動向・過去の接触履歴の確認」に、1件あたり平均4時間を費やしていた。CRMへのメモ入力、メールの整理、会議後のフォローアップも加わる。顧客と向き合うはずの時間が、事務作業に侵食されていた。

Copilot for Salesが「調べる→まとめる→入力する」の工程を引き受けた

導入したのはMicrosoftのCopilot for Sales。Outlook・Teams・CRMを横断し、顧客リサーチ・会議要約・フォローアップ作成・CRM自動同期を一括で処理するAIツールだ。

営業担当者が顧客面談の前に入力するのは「企業名と案件概要」だけ。CopilotがCRM内の接触履歴・Outlookのメール履歴・公開情報を自動収集し、数分で要点のブリーフィングを生成する。面談後は会議の録音から要約と次のアクションを自動起票し、CRMに同期する。

以前は4時間かかっていたリサーチが、15分で終わる。

週4時間の節約が、年間5,000万ドルの規模感になる

1人あたり週4時間の節約は、年間で200時間を超える。Lumenの営業組織全体で集計すると、年間5,000万ドル相当の時間を創出した計算になる。コスト削減ではなく「営業が顧客と向き合う時間に転換した価値」の試算だ。

回収コストのかかる大型カスタム開発ではなく、既存のMicrosoftライセンス範囲内で実現している。同様のMicrosoftツール活用では、VodafoneがMicrosoft 365 Copilotの全社展開で週3時間の削減を実現しているが、Lumenはより絞り込んだ営業特化ツールで4時間という大きな成果を出した。

既存ツールの文脈にAIを差し込んだことが成功要因

Copilot for SalesはOutlookとTeamsとCRMに直接統合される。営業担当者が新しいシステムを学ぶ必要はなく、普段使うソフトウェアの中にAIが入り込む形だ。日常業務の動線にAIを組み込んだことで、導入直後から現場に定着した。

富士通がAzure AIエージェントで営業提案書作成の生産性を67%向上させた事例も、既存の業務フローへの統合を前提に設計されている。業種は違っても「新しいツールを覚えさせない」が成功の共通条件になっている。

顧客に会う前の準備に同じ課題はないか

顧客面談前の情報収集、会議後の議事録作成、CRM入力——この3つで週に何時間使っているか、一度チームに聞いてみるといい。Lumenの事例が示すのは「AIで特定業務をゼロにする」ではなく「繰り返し発生するリサーチとまとめ作業をAIに任せる」という発想だ。

競合・業界調査を毎週こなす担当者が実践する情報収集の自動化と組み合わせると、どこにAIを刺せば一番時間が浮くかが具体的に見えてくる。

ドリップドリップ(執筆)

商談前日に資料を掻き集めて、当日の朝ぎりぎりまで準備していた経験、誰にでもあると思います。

「4時間が15分になる」って書くと大げさに聞こえますが、CopilotがCRMとメール履歴を自動でまとめてくれるだけで、これが普通に起きる。しかも新しいツールを覚える必要がないから、現場が嫌がらずに使い続けてくれる——そこが一番の発見でした。

まず自分のチームで「顧客の前に何時間使っているか」を測るだけでいい。数字が出れば、次の一手が見えます。

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