先日、ClaudeのURLを開いたら503エラーだった。議事録を要約しようとして、報告書のたたき台を作ろうとして——何もできない。他のツールに乗り換えようとしても、同じタイミングで他社も流れ込み、競合ツールも重くなる。半日、ほとんど何もできないまま過ぎた。そういう経験をした人は、もう少なくないはずだ。
住友商事はMicrosoft 365 Copilotを全社に展開し、月間アクティブユーザー率が約90%に達している。年間約12億円のコスト削減、月間1万時間超の業務効率化。97%の社員が継続利用を希望するほど業務に根付いたツールが、ある日止まる。その日の損失はどれほどか。住友商事ほどの規模でなくても、チームでAIを使い始めた時点でこの問いは自社にも当てはまる。
依存度が上がるほど停止リスクは大きくなる
AIツールは止まる。障害、メンテナンス、急激な価格改定——理由が何であれ、使えなくなる日は必ず来る。単一ツールに依存していると、その日の業務が止まるだけでなく、代替手段を探す時間まで消費する。
BCP(事業継続計画)はこれまでシステム障害や自然災害を対象にしてきたが、今はAIツールの停止もその射程に入れる必要がある。Claudeが停止したときの代替手段は別記事でもまとめているが、そもそも止まる前提で複数ツールを並走させておく設計がより根本的な備えになる。特に社内でAI推進を担う立場なら、フォールバックの設計は早めに整えておきたい。
Perplexityをセカンドとして並走させる理由
調査・情報収集に特化したPerplexityは、ChatGPTやClaudeが止まったときの「セカンドAI」として相性がいい。検索と生成が一体化していて、「最新の競合動向を調べてまとめて」「この業界の最近のトレンドを教えて」という業務に向いている。文章生成の精度はClaudeに劣るが、それは別ツールで補えばいい。
用途で分けておくと、どれかが止まっても全部が止まる状態を避けられる。「情報収集・リサーチはPerplexity、文章生成・要約はClaude、スライド構成はGemini」と割り当てておくだけで、一つが落ちても別の作業は続けられる。
複数AI体制を整える3ステップ
まず自社でよく使われているAIの用途を書き出す。「誰が、何のために、どのツールを使っているか」を一覧にする。用途が一つのツールに集中していれば、そこがリスクポイントだ。
次に各用途にひとつ代替ツールを割り当てる。「今日から使い始める」必要はない。月に一度だけ意識的に代替ツールを使うだけで、いざというときの混乱は大きく減る。Perplexityを使ったリサーチのルーティンを作るだけでもいい。競合調査、業界動向のキャッチアップ、報告書の背景調査——検索を伴う業務をPerplexityで習慣化しておくと、Claudeが止まった日でも仕事は動き続ける。
最後に、この体制をチームで共有する。担当者だけが把握していても意味がない。「Claudeが使えないときはPerplexityで調査、Geminiで文章を作る」という一行の共有があるだけで、チームの混乱は格段に小さくなる。
AIに頼る量が増えた分だけ、止まったときのダメージも大きくなる。住友商事のような大規模展開でなくても、チームで日常的にAIを使い始めた時点でBCPを考える価値はある。対応表を一枚作るだけでいい。
「AIが止まって初めて、どれだけ頼っていたか気づいた」——そういう声、実際によく聞きます。
対応表を一枚作るだけで、担当者としての安心感はかなり変わります。Perplexityをリサーチ用に使い始めるのが、一番手っ取り早い第一歩だと思っています。
備えは大げさじゃなくていい。まず一行書くところから始めてみてください。