MicrosoftがCopilotにAnthropicのClaudeを正式搭載したことで、企業のOffice環境でAIを「選んで使う」時代が始まった。

Copilot Chatの画面にモデル選択UIが追加され、OpenAIのモデルかClaudeかを用途に応じてユーザー自身が切り替えられるようになった。従来の「Copilotが使うAIはMicrosoftが決める」という構造が、「ユーザーが選んで使う」形に変わったことになる。

なぜMicrosoftはClaudeをCopilotに入れたのか

Anthropicとの複数年にわたるパートナーシップの結果として、CopilotにClaudeが加わった。MicrosoftはAzure OpenAI Serviceを通じてOpenAIのモデルを独占的に使ってきたが、Build 2026のタイミングでSatya Nadella CEOは「モデルにとらわれないCopilot」という方向性を示した。

この判断の背景にあるのは、OpenAI一社への依存を減らすリスク分散と、企業ユーザーへの訴求力向上だ。長文の読み取りや複雑な判断が必要な場面でClaudeを選ぶ余地を持つことで、「ChatGPTではなくCopilotを使う理由」が増える。

企業にとっての現実的なメリット

法務や調達、企画など「大量の書類を読んで判断を出す」業務では、Claudeへの切り替えが有効な場面がある。一方、文書生成や要約の精度ではOpenAIのモデルを好む声も根強い。「用途によって最適なAIが違う」という現実に、Copilotがようやく応えた形だ。

企業の管理部門にとっても、管理するサービスを増やさずに済む点は大きい。ClaudeのAPIを別途契約したり、社員が個人アカウントで外部サービスを使ったりするのではなく、IT部門が管理するCopilotのライセンスの中でClaudeとOpenAIの両方が使える。セキュリティポリシーを一元管理したい組織にとって、この形は現実的だ。

チーム利用を支える機能も同時に正式公開

7月の40以上のアップデートには、モデル追加と並んでチームでAIを共有するための機能の正式公開も含まれる。Word・Excel・PowerPoint上で複数のメンバーが同一のAIセッションを共有しながらリアルタイムに作業できる仕組みで、先行導入期間中のデータではチームでのドキュメント作業において単独利用と比べ40%の生産性向上が報告されている。

AIを「一人が使うツール」から「チームで使うインフラ」に変えていく動きが、Copilotの中でも着実に進んでいる。

Copilotの統合戦略の全体像については、MicrosoftがCopilotを1本に統合した記事もあわせて確認してみてほしい。

ドリップドリップ(執筆)

「会社のパソコンでClaudeが使えるようになった」って、まだ実感が薄い方も多いと思います。

でも考えてみると、ClaudeとOpenAIどちらも選べるようになったことで、「AIは難しい」という入口のハードルが下がる気がするんですよね。「こっちが合わなければあっちを試せばいい」という選択肢が増えるだけで、使ってみる気になりやすくなるから。

まず今日のCopilot Chatで、モデルを切り替えてみるところから始めてみてください。

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