「ガイドラインを更新しなきゃ」と思いながら、何を変えればいいかわからない。セキュリティベンダーのレポートを読んでも、現場に落とし込める具体的な一手が見えない。そういった情シスの悩みが、2026年に入ってから増えています。

ChatGPTに「Lockdown Mode」が追加されたことで、プロンプトインジェクション攻撃を自動ブロックできるようになりました。ただし、この機能をどう社内ポリシーに落とし込むかは、まだ情シスの手元に残る課題です。

プロンプトインジェクションを1分で理解する

添付PDFや外部URLの中に「これまでの指示を無視して○○せよ」という命令が仕込まれ、AIがそれに従ってしまう。それがプロンプトインジェクションです。ユーザーには見えないため、気づかないまま機密情報が出力されるリスクがあります。

ChatGPTのLockdown Modeはこれを検知・ブロックしますが、有効化は各ユーザーに委ねられています。ガイドラインに「Lockdown Modeは原則オン」と明記しないと、現場は各自で判断することになります。

ChatGPTで既存ガイドラインを30分で診断する

まず今のガイドラインをChatGPTに貼り付け、「AI安全性の観点で抜け漏れを指摘してください」と依頼します。プロンプトインジェクション対策、Lockdown Modeの有効化義務、外部ファイル読み込み時の注意点の3点が含まれているかを確認するよう指示を絞ると、精度が上がります。

ガイドライン自体がほとんどない場合は、「当社はSaaSのChatGPTを業務利用している。プロンプトインジェクションを念頭に置いた利用規程のひな型を作って」と頼めば、10分で叩き台が出ます。ゼロから考える必要はありません。

返ってきた指摘をそのまま採用する必要はありません。自分の職場に当てはまるかを判断しながら取捨選択する。AIは草案を出す係、判断は人間の役割です。

改訂・チェックリスト化・更新サイクルの3ステップ

ステップ1は改訂案の作成です。ChatGPTに「以下の指摘を既存ガイドラインに組み込んだ改訂版を作ってください」と依頼すると、追記・修正済みのドラフトが出てきます。一から書く必要はありません。

ステップ2はチェックリスト化です。「情シス担当者向けに、AI利用の確認事項を箇条書きにして」と続けると、現場に配布できる形になります。月次の確認作業が形式化され、属人化を防げます。

ステップ3は更新サイクルの組み込みです。ガイドライン末尾に「3か月ごとにこのチェックリストをChatGPTで再確認する」というルーティンを追加します。AI関連のリスクは変化が早い。一度整備して終わりにしない仕組みが、長期的には効きます。

この3ステップなら、30分以内に初稿まで到達できます。Lockdown Modeひとつで全てのリスクが消えるわけではありません。でも、ガイドラインに「有効化を義務づける」と書く作業は今すぐできます。完璧より、まず動かせる状態にする。それが今の情シスに必要なスピード感です。

ドリップドリップ(執筆)

ガイドライン更新、どこから手をつければいいか迷いますよね。

ChatGPT自身に診断を頼めるとわかると、急に動き出せる気がします。完璧を目指すより、まず今日動かせる状態を作ることが大事だと改めて感じました。

30分で初稿が出るなら、今日始めてみてください。

コピペで使えるプロンプト集

① AI利用ガイドラインの抜け漏れを診断する

情シスがセキュリティポリシーを見直すとき

あなたは企業のAIセキュリティに詳しいITコンサルタントです。私は【会社規模:○○名規模の企業】の情シス担当者で、社内AI利用ガイドラインを見直しています。以下のガイドライン本文を読み、プロンプトインジェクション対策の観点で以下を確認してください。①Lockdown Modeまたは同等の保護機能の有効化について言及があるか、②外部ファイル(PDF・URL・メール添付)をAIに入力する際の注意事項があるか、③機密情報の入力禁止範囲が明示されているか。不足している項目は「不足:○○について言及がない」の形式で箇条書きにしてください。充足している項目は確認済みと表示してください。【ガイドライン本文をここに貼り付ける】
情シス・IT部門コンプライアンス

② プロンプトインジェクション対策をガイドラインに追記する

診断結果をもとにガイドラインを改訂するとき

あなたは企業向けAI利用規程の作成を専門とするコンサルタントです。以下の【既存ガイドライン本文】に、プロンプトインジェクション対策に関する下記の項目を追記した改訂版を作成してください。追記項目:①ChatGPT Lockdown Modeの有効化を全社員に義務づける旨、②外部ファイル・URLをAIに読み込ませる前の確認ステップ(発信元の信頼性確認)、③プロンプトインジェクションを疑う兆候とその場合の対処フロー。既存の文体・構成を崩さず、追記部分には【NEW】と付けて識別できるようにしてください。【既存ガイドライン本文をここに貼り付ける】
情シス・IT部門ドキュメント作成

③ 社員向けAI利用の月次チェックリストを作る

現場社員に配布するチェックリストを整備するとき

あなたは社内IT教育を担当するトレーナーです。【会社名または部署名】の社員が月に1回確認するためのAI利用チェックリストを作ってください。対象者は日常業務でChatGPTを使う一般社員(IT専門知識なし)です。含める確認項目:①Lockdown Modeが有効になっているか(スクリーンショット付き手順を別途添付)、②社外秘・個人情報をプロンプトに入力していないか、③外部ファイルをAIに読ませる前に上長確認をしたか、④AIの出力をそのまま社外共有していないか。各項目はYes/Noで答えられる形式にしてください。チェック欄はテキストの□で表現してください。
情シス・IT部門社内研修