プレスリリース1本に、午前中まるごとかかることがあります。下書きを書いて、表現を確認して、修正して、また見直す。気づけば昼過ぎで、メディアモニタリングや対外対応がまだ残っている。広報担当者なら、この感覚はわかると思います。
ChatGPTを使い始めてから、その時間の感覚が変わりました。
プレスリリースは「骨格」から作ると速い
「このサービスのプレスリリースを書いて」と伝えても、たいていは修正だらけで返ってきます。問題は指示の粒度です。効果的なのは、最初に骨格だけ作る方法です。
「発表事実・背景・提供価値・担当者コメント・会社概要の5構成でプレスリリースの骨格を作って」と指示します。骨格が返ってきたら確認して、「このトーンで本文を書いて」と続ける。2段階にするだけで、修正が格段に少なくなります。
プロンプトの例はこうです。「あなたはPR専門家です。以下の情報をもとに、メディア向けプレスリリースの骨格を作成してください。発表内容:【新機能の概要】、背景:【開発の背景・課題】、ターゲットメディア:【業界紙・一般紙等】」。ChatGPTへの指示の型を意識するだけで、1時間かかっていた作業が30分以内に収まります。
モニタリング結果の分類と要約も自動化できる
自社名や業界キーワードで毎朝記事を集めた後、読んで・分類して・メモする作業が残ります。その部分もChatGPTに任せられます。
収集した記事テキストをまとめて貼り付けて、「好意的・中立・批判的の3軸で分類し、各記事を1行で要約して」と指示するだけです。15〜20本の記事が、10分でまとまります。
読んで分類していた時間と比べると、感覚的には半分以下です。残った時間でレポートへのコメントを加えたり、担当者へのフィードバックに使えます。
危機対応フローは事前に準備しておく
炎上や誤報が発生したとき、一番時間を食うのは「何から手をつければいいか」の判断です。パニック時は動けなくなります。そのための準備をChatGPTと一緒に作っておくといい。
「SNSで否定的な反応が広がっています。状況:【具体的な状況説明】。最初の1時間で取るべき対応ステップを3つ挙げてください」。緊急時にこのプロンプトをすぐ呼び出せるようにしておくだけで、初動が変わります。
想定シナリオをあらかじめChatGPTと整理してリスト化しておけば、どんな状況にも対応しやすくなります。
作業が減った分、本来の広報業務に使える
半日かかっていたプレスリリースが1〜2時間で終わる。モニタリング整理が10分でまとまる。危機時の初動判断が数分で出る。
その分の時間を、メディアとの関係構築や企画立案に使えます。広報の仕事の本質は、情報を速く処理することではなく、正しい情報を正しいタイミングで届けることです。ChatGPTはその処理部分を担ってくれます。それが、使う理由のすべてです。
広報の仕事は、言葉を扱う仕事のはずなのに、気づけば「作業」に追われている——そういう実感、あると思います。
ChatGPTが一番変えてくれるのは「書く速さ」よりも「考える余裕」かもしれません。プレスリリースの骨格を5分で作れると、残りの時間でトーンを整えたり、角度を変えたりできる。
まず次の1本、骨格だけChatGPTに作ってもらうところから始めてみてください。