Elton R ConstructionがIntuit Enterprise Suiteを活用し、月32時間の手作業を削減、年度決算を従来比2ヶ月前倒しで完了させた。

建設業の経理が抱える「終わらない月末作業」

建設会社の経理は独特の複雑さを持つ。案件ごとに異なる原価構造、複数の下請け業者への支払い管理、進捗に連動した請求書の発行——これらを毎月漏れなく処理するだけで、相当な工数がかかる。米国の中堅建設会社Elton R Constructionも同じ悩みを長年抱えていた。経理担当者はシステム間のデータ転記と照合作業に毎月追われ、年度決算の時期になると残業が当たり前の状態が続いていた。「この時期は仕方ない」という諦めが組織に定着してしまっていた。

Intuit AIが引き受けた「定型の積み重ね」

同社が選んだのはIntuit Enterprise Suiteだ。建設業や製造業の原価管理に対応した会計プラットフォームで、請求書の自動分類、原価データの集計、仕訳の自動生成をAIが担う。導入の方針はシンプルだった。「人が毎回やっている定型作業をリストアップして、全部AIに渡す」。担当者はチェックと例外対応に集中し、転記作業からは完全に手を引く設計にした。汎用的な会計ソフトとは異なり、建設業の業務フローに最初からフィットしていたため、大規模なカスタマイズなしに本番移行できた。

月32時間が戻り、決算が2ヶ月早まった

毎月32時間の純粋な手作業が削減された。年度決算のタイミングも、従来の3月末から1月末へと2ヶ月前倒しになった。これは単なる効率化ではない。決算を早く締めることで、経営陣が翌年度の計画を余裕を持って立案できる。キャッシュフローの予測精度も上がり、資金繰りの不安が減った。月末の残業がなくなったことで、経理担当者の定着率にも好影響が出た。時間が戻ることで、経営全体の質が変わる。

「業種に合ったAI」が立ち上がりを速めた

汎用的な会計ソフトでは、建設業の複雑な原価管理をカバーしきれないことが多い。Intuit Enterprise Suiteは業種特化の設計で、建設会社の現場の業務フローと最初からフィットしていた。これが立ち上げの速さを支えた。加えて、AIに任せる範囲を「定型の転記と集計だけ」に絞り込んだ判断も効いている。例外処理は人間が判断するという境界線を最初に決めたことで、現場に混乱なく定着した。

月末の手作業リストから始める

建設業や製造業に限らず、経理・財務の月末作業にAIを当てはめる発想は多くの業種で使える。まず「毎月同じ手順で繰り返している作業」をリストアップしてほしい。そこが自動化の起点になる。ツール選びで重要なのは機能の多さより、自社の業種と業務フローへの適合度だ。汎用ツールで試して「使いにくい」と感じるケースの多くは、この業種適合度の見極めを省略したことが原因だ。小規模なチームでも業務の大部分を自動化できる事例が増えている。まず自社の月末作業を棚卸しすることが最初の一歩だ。

ドリップドリップ(執筆)

月末の残業って、「仕方ない」と諦めている人が多いと思うんですよね。特に建設業や製造業の経理担当者は。

この事例で驚いたのは、決算が2ヶ月早まったこと。月次の積み重ねが変わると、年次の経営判断タイミングまで変わるんだって実感できます。

まず自社の月末作業を書き出してみること——それだけで次の一手が見えてくるはずです。

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