Wileyが Salesforce Agentforceを活用し、顧客自己解決率を40%以上向上させ、ROI 213%を達成した。

新学期のたびに限界を迎えるサポートチーム

Wileyは学術論文・教育コンテンツ・資格試験サービスを世界規模で展開する老舗の出版企業です。事業の性質上、新学期や試験シーズンに問い合わせが集中します。繁忙期だけ人員を増やすという対応を繰り返してきましたが、採用・研修コストと品質のムラが慢性的な課題でした。

チャットボットはすでに導入済みでした。しかし固定フローで動く旧型ボットは「注文を変更したい」「試験登録の状態を確認したい」といった個別状況への対応が苦手で、顧客はすぐに有人チャットへ流れました。自動化を入れても人手の負荷が減らない——多くのCS部門が抱えるその状況に、Wileyも陥っていました。

チャットボットからAIエージェントへ——Agentforce×Service Cloud

Wileyが選んだのはボットの改善ではなく、Salesforce AgentforceとService Cloudの統合による「AIエージェント」への移行です。

Agentforceは顧客のCRMデータや注文履歴・契約情報をリアルタイムで参照しながら会話を進め、顧客が自分で問題を解決できるよう状況に応じた案内をします。あらかじめ設定したフローをたどるだけでなく、文脈を読んでアクションを提案できる点が従来ボットとの決定的な違いです。AIが対応しきれないケースは有人オペレーターへスムーズに引き継ぐ設計も組み込まれており、顧客が「ボットに詰まった」と感じる体験を排除しています。

導入後:自己解決率40%超向上・ROI 213%

顧客が自分で問題を解決できる割合が40%以上改善しました。繁忙期に追加採用していた分のコストを大きく圧縮でき、Salesforce Service Cloudとの統合全体で見たROIは213%に達しました。投資回収のスピードも当初想定を上回っています。

有人オペレーターは単純対応から解放され、複雑な案件や顧客満足度に直結する高難度ケースへ集中できる体制になりました。同様のAIエージェント活用で大きな成果を出した事例として、SoFi TechnologiesがSierra AIで問い合わせの61%を自動解決したケースも参考になります。

成功の核心はCRMとの統合設計

Wileyの事例で注目すべきは、Agentforceそのものよりも「CRMデータをAIが参照できる状態にした」設計です。顧客ごとに契約状況・購入履歴が異なる複雑なサービス環境でも高い自己解決率を実現できたのは、この統合があったからです。

「全件AI対応」ではなく「AIで対応できない場合は有人へ」という出口設計も重要でした。顧客体験を損なわずに自動化率を引き上げるには、引き継ぎの品質が鍵になります。

自社に活かすなら、まずデータの整備から

チャットボットを入れても自己解決率が上がらない場合、原因の多くはCRMとの非連携にあります。AIエージェントに顧客情報・注文状況・契約履歴を渡せる状態にすることが、Wileyの事例から得られる最大の示唆です。

ツールを変える前に「どのデータをAIに渡すか」を整理することが、導入成果を左右します。AIエージェント導入の始め方も合わせて参考にしてください。

ドリップドリップ(執筆)

繁忙期のたびにサポートが逼迫して、毎年同じ問題を繰り返している……そういうチームに届いてほしい事例です。

Wileyの成功ポイントは「いいツールを入れた」ではなく、CRMのデータをAIが使える状態に整えた設計にあります。同じAgentforceを入れても、データが整っていなければ同じ結果にはならない。ここが大事なところです。

まず自社のCRMデータが整理されているかを確認するところから始めてみてください。そこが出発点です。

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