Copilotのライセンスを全社に配り終えた翌月、利用率を確認したら2割に届いていなかった——という話を、情シスやDX推進担当からよく聞きます。ライセンス手配までは順調なのに、そこで止まってしまう。

展開後3ヶ月でアクティブ率が落ちる理由

配布完了はゴールではなく、管理の始まりです。まず見るのはMicrosoft 365管理センターの「Copilotの使用状況」レポートです。週次でアクティブユーザー数・機能別利用率・部門別の差異を確認します。利用が伸びない部門に共通しているのは、ツールを渡しただけで「この業務に使う」という接点を作っていないことです。

営業の週次報告、人事の求人票作成、経理の月次サマリーなど、部門ごとに1つだけユースケースを決めて1枚のガイドを用意するだけで利用率は変わります。IT担当が週次レポートを見ながら低利用部門へ声をかける体制を整えることが、まず必要なことです。

Copilot Studioでエージェント量産が始まる前に整えること

Microsoft 365 CopilotにCopilot Studioが加わると、現場が社内エージェントを自由に作り始めます。情シスが管理すべき対象が一気に広がるタイミングです。

決めておくべきことは2つ。「誰がエージェントを作れるか」と「本番公開の審査フロー」です。管理センターでエージェント作成の権限スコープを設定しないまま展開すると、部門が独自に量産し始め、外部API連携やデータ参照範囲の把握が追いつかなくなります。

INPEX(石油・天然ガス開発)は、Microsoft 365 Copilot + Copilot Studioを全社展開後に社内AIエージェントを1,000件超内製開発し、業務時間44%削減・年間約20億円超の効果を試算しています。この規模のエージェント開発が現場から自律的に生まれた背景には、情シス主導のガバナンス設計があります。エージェント申請フローと審査基準を展開初期に整えていたからこそ、現場が安心して開発を進められました。

SharePointの過剰共有をCopilot展開前に整理する

これまで問題になっていなかったSharePointのアクセス権が、Copilot導入後に表面化するケースがあります。CopilotはSharePointリスト上のデータを含む「組織内で共有されているファイル」を参照できるため、本来閲覧権限のない情報が回答に含まれることがあります。

SharePoint Advanced Management(SAM)の「データアクセスガバナンス」機能を使えば、過剰共有サイトの一覧を自動抽出できます。展開前に確認していなければ、Copilotが情報漏洩の入り口になるリスクがあります。

利用率レポートの週次確認、エージェントのガバナンス設定、SharePointのアクセス権整理——この3点を展開初期に整えることが、Copilot導入後に効果が出ない状態から抜け出す第一歩です。

「ライセンスを配っただけで満足してしまった」という経験、情シス担当なら一度はあるんじゃないかなと思います。

INPEXさんの1,000件超エージェント開発の話、派手に見えますが、裏側に地道なガバナンス設計があったというのが大事なポイントでした。

まず週次レポートを開くところから。それだけで見えてくることがあります。

コピペで使えるプロンプト集

① Copilot利用率レポートから部門別改善計画を立案する

Microsoft 365管理センターのCopilot利用状況レポートをもとに、利用率が低い部門への改善アクションを検討する場面

あなたはDX推進担当として、以下のCopilot利用状況データを分析し、改善計画を立案してください。

【利用状況データ】
- 全社アクティブ率:【例:23%】
- 部門別利用率:【例:営業部32%、経理部8%、人事部5%】
- よく使われている機能:【例:メール要約、会議録自動生成】
- 使われていない機能:【例:Excelデータ分析、文書生成】

以下を出力してください。
1. 利用率が低い部門の課題仮説(各部門1〜2行)
2. 部門ごとの即効ユースケース提案(各2〜3個)
3. 翌月までの具体的アクションプラン(3ステップ)

専門用語を避け、部門担当者への報告資料として使える言葉で書いてください。
情シス・DX推進ツール定着・改善

② 社内AIエージェント申請のガバナンスチェックリストを作る

Copilot Studioで部門が社内AIエージェントを作成する際の申請基準と審査フローを整備する場面

あなたは情シスの担当者として、社内AIエージェントの申請・審査基準を作成してください。

【エージェントの概要】
- 作成部門:【例:営業企画部】
- エージェントの目的:【例:顧客提案書のドラフト生成】
- 参照するデータ:【例:SharePoint上の過去提案書・製品カタログ】
- 外部API連携の有無:【例:なし】

以下のチェックリストを作成してください。
1. データアクセス範囲の確認項目(5項目)
2. セキュリティリスクの審査ポイント(3項目)
3. 本番公開前の動作確認手順(3ステップ)
4. 承認後の運用・モニタリング基準

非エンジニアの審査担当者でも使えるよう、平易な言葉でまとめてください。
情シス・DX推進AIガバナンス・セキュリティ

③ SharePoint過剰共有問題の経営報告書を作成する

Copilot展開前のSharePointアクセス権調査結果をもとに、経営層向けの対策報告書をまとめる場面

あなたはIT部門の責任者として、Microsoft Copilot展開に向けたSharePointの過剰共有問題を経営層に報告します。

【調査結果データ】
- 過剰共有が疑われるサイト数:【例:47サイト】
- 問題の分類:【例:全社員閲覧可能な機密文書12件、退職者アカウントが権限保持のまま23件】
- Copilot展開予定時期:【例:2026年10月】

以下の構成で報告書を作成してください。
1. 現状の課題(3行以内)
2. リスクシナリオ(Copilotが情報漏洩の経路になる具体的なケース)
3. 対応策と優先順位(高・中・低に分類)
4. 対応完了までのスケジュール案

経営者が意思決定しやすい簡潔な言葉で書いてください。
情シス・DX推進AIガバナンス・セキュリティ