新製品のプレスリリースを書き終えた後、Xへの告知投稿、インスタグラム用キャプション、社内イントラ向けのお知らせも作らないといけない。同じ内容なのに4つの文章に2時間かかる──広報担当なら一度は経験したことがあるはずです。
これは「書く」作業に時間がかかっているのではなく、「トーンを変える」「文字数を整える」という調整作業に追われているのが実態です。発表内容そのものは決まっているのに、毎回ゼロから考え直している。この時間を圧縮するのに、AIは向いています。
ただ、「文章を書かせる」という使い方では、修正に結局時間がかかります。広報の仕事でAIを活かすポイントは「書かせる」より「書き分けさせる」ことです。
元の原稿から4フォーマットを一気に出力する
やり方はシンプルです。書き上げたプレスリリースをClaudeに貼り付けて、以下のように指示します。
「この内容をもとに、次の4種類を作ってください。①X投稿(140文字以内、ハッシュタグ2つ)、②Instagram用キャプション(150〜200文字、改行多め、ハッシュタグは末尾に5つ)、③社内イントラ向け案内文(です・ます調、300文字程度、専門用語は言い換える)、④プレスリリース用リード文(2〜3文、5W1H含む)」
ポイントは各フォーマットに条件をセットで書くことです。「X投稿を作って」と書くだけでなく、文字数・トーン・ハッシュタグ本数まで指定します。条件が具体的なほど出力の質が上がり、修正の手間が減ります。
1回のプロンプトで4種類が揃ったら、あとは細かい調整だけです。ゼロから考える必要がないので、2〜3分の出力+5〜10分の修正、という流れになります。このサイクルに慣れると、次の発表でも同じテンプレートが使えます。
ブランドガイドラインを直接指定できる
Claudeは文体の振れ幅を自然に処理できます。硬い報道向け文体と親しみやすいSNS投稿を同じプロンプトで同時に作るとき、中途半端なトーンになりにくいのは実際に使うと分かります。
ブランドガイドラインへの対応も簡単です。「”革命的”という表現は使わない」「製品名は必ず”○○Pro”とフルネームで表記する」「外来語のカタカナ表記はカッコ内に統一する」といった禁止・推奨ルールをプロンプトに添えると、スタイルガイドを読み込んだように反映されます。
発表後に上長確認が入るたびに修正が発生する──この悪循環を減らせるのは、実務でかなり効いてきます。
書き分けの外に広がる使いどころ
プレスリリースの書き分けに慣れてくると、次に試したくなるのが週単位のSNS投稿をまとめて作る方法です。月曜の15分で1週間分の投稿素材を準備しておく仕組みと組み合わせると、発表がある週もない週も、SNSの更新に追われる時間がなくなります。
広報の仕事は、発表のタイミングで複数チャンネルに同時展開する場面が多い。そこでAIを「書き分けを担当してくれる人」として使う感覚が合っています。1時間かかっていた作業が20分に縮まるのは、完成品を出してもらうからではなく、修正すれば使える素材が数分で揃うからです。全体を考え直す必要がなくなるぶん、判断と調整に集中できます。
プレスリリース書いた後に「あ、SNS用も作らないと」ってなる瞬間、ありますよね。
「書かせる」より「書き分けさせる」という発想が、広報業務でAIを使うときの一番の転換点だと思います。
一度フォーマットを決めてしまえば、次の発表からは同じプロンプトが使えます。ぜひ試してみてください。