先行特許の調査に半日かけて、「やっぱり似たものがある」と気づいた経験はないでしょうか。文献サーベイは論文が増え続けるし、実験計画の書類整理はいつも後まわしになる。R&D業務の情報収集は、時間をかけても終わりが見えない仕事の代表格です。
特許調査、文献サーベイ、実験計画の3つは、AIエージェントが得意とする作業と構造的に重なっています。
特許調査:キーワード設計と一次スクリーニングをAIに渡す
特許調査で最も時間がかかるのは「何で検索するか」を決める部分です。技術概念をどういう言葉に変換して、類義語や製法名も含めてどう組み合わせるか。これが決まれば、あとはヒット件数の確認と絞り込みで済みます。
Notion AIに「この技術テーマでJ-PlatPat向けの特許検索式を作ってほしい。技術用語・製品名・製法の3軸でキーワードを展開し、英語表記と類義語も含めること」と指示すると、そのまま検索に使えるキーワードセットが出てきます。検索結果のリストをNotionのデータベースに貼り付けて「明らかにテーマ外のものを除外してください」と追加指示すれば、一次スクリーニングまでAIに任せられます。
自分でキーワードを考えると、どうしても馴染みのある言葉に偏ります。AIが展開した検索式には、自分では思いつかなかった切り口が含まれていることがあります。これが見落としを減らす理由です。
文献サーベイ:論文50本の優先度を1時間でつける
文献サーベイで時間を食うのは、アブストラクトを読んで「この論文は関係あるか」を判断する作業です。候補が50〜100本になると、精読の前段階だけで丸一日かかることがあります。
アブストラクトをNotionのページに貼り付けて、「この論文が[自分の研究テーマ]にどの程度関連するかを1〜5で評価し、理由を一文で書いてください」と頼む。スコアと理由が並べば、どれを精読すべきかすぐ判断できます。50本あっても、このプロセスなら1時間以内に終わります。
実験計画:テンプレートをAIに生成させてログを蓄積する
実験計画の書類作成は、毎回ゼロから書くと思考が散ります。仮説・変数・測定方法・評価基準の構成はほぼ決まっているので、Notion AIに「[実験の目的]に基づいた実験計画テンプレートを作成してください。仮説、独立変数・従属変数・制御変数、測定方法、評価基準、リスクの5セクション構成で」と指定すると、そのまま使える骨格が出てきます。
Notionのデータベースで実験ごとにページを作り、同じテンプレートを使い回すと実験ログが自然と蓄積されます。Notion AIでルーティンを型化するアプローチはPM業務でも実証されていて、「AIに渡す型」を決めることが時間節約の核心です。過去の実験結果をまとめてAIに渡せば、傾向分析や次の実験への示唆も頼めます。
情報収集が速くなると、仮説検証のサイクルが変わる
時間が短縮されるだけでなく、業務の密度が変わります。これまで調査に使っていた時間を、仮説を立てること・実験結果を解釈することに使えるようになります。
R&D業務でAIが一番力を発揮するのは、反復的な情報処理を引き受けることで、人が本来集中すべき判断の質を上げる部分です。3つの業務のうち一つから始めれば、その感覚はすぐつかめます。
特許調査のキーワード選びで詰まる感覚、ちゃんとわかります。「あの言葉で検索すればよかった」が後から出てくる、あの感じ。
AIに型を渡すだけで一次スクリーニングまで終わるという体験は、調査の組み立て方への見方を変えてくれます。効率化というより、視野が広がる感じに近いです。
まずは次の特許調査のキーワード設計から、一度AIに頼んでみてください。