評価シーズンが来るたびに、コメント欄で手が止まる。部下5人分のフィードバックを書こうとして、「積極的に取り組んでいます」「コミュニケーション能力が高い」──気づけば2時間、ほぼ同じような文章を書き直している。1on1の準備も似たようなもので、「何を話そうか」と前日の夜に悩むことが月に何度もある。管理職の仕事で、こうした「人に関わる文書系タスク」が意外と時間を食う。
フィードバックコメントをGeminiに下書きさせる
評価コメントは、ゼロから書こうとするから辛い。まずGeminiに「以下の情報をもとに、次期への期待も含めた評価コメントを300字で下書きしてください」と投げる。渡す情報は、今期の主な成果、課題と感じた行動、職種と等級の3点だけ。たとえば「営業職・中堅、今期新規5件獲得、報告タイミングが遅れることがある」という3行で、Geminiが返す文章はすでに「使えるレベル」に近い。
そこから自分の言葉に直したい部分だけを修正するやり方にすると、30分かかっていた作業が10分程度に縮まる。「AIっぽさ」が残るなら「もっと具体的なエピソードを1つ入れて」と追加指示すればいい。
1on1の質問リストを5分で準備する
1on1前日に「何を話そうか」と悩む時間は、ほぼゼロにできる。メンバーの最近の担当業務と様子を簡単にまとめてGeminiに渡し、「この人との1on1で聞くべき質問を5つ提案してください。成長支援と本人の課題把握の両方を意識して」と依頼するだけだ。たとえば「リーダーに昇格して3ヶ月、チームのまとめ方に悩んでいる様子」と書き添えるだけで、質問の質が変わる。
出てきた質問リストから使いたいものを選ぶ。全部使う必要はない。これだけで「準備ゼロ」の状態から脱せる。
月1回の成長記録で、評価の精度を上げる
評価シーズンに慌てるのは、普段の記録がないからでもある。月1回、メンバーごとに「今月気になったこと」「よかったこと」を箇条書きでGeminiに送り、「成長記録として整理してください」と頼む習慣をつけると、半年後の評価面談がずっと楽になる。記憶に頼る評価から、事実の積み上げに変わる。
SOMPOホールディングスは、Gemini Enterpriseをグループ3万4,000人規模に展開し、管理職全員にAIリーダーシップ研修を義務化している。「管理職がAIを使いこなせるかどうか」がチーム全体の生産性の差に直結すると判断したからだ。評価・育成・1on1の質を上げるためにAIを使うのは、もはや管理職の基本スキルになりつつある。チーム内のAI格差が気になる方も、まず管理職自身が動くのが一番早い。
まず明日の1on1の準備から試してみると、思った以上に手が動く。
コピペで使えるプロンプト集
① 部下の評価コメントを下書きする
評価シーズンのフィードバック作成
あなたは人事評価のサポートをする専門家です。以下の情報をもとに、次期への期待も含めた評価コメントを300〜400字で下書きしてください。 評価対象:【職種・等級(例:営業職・中堅)】 今期の主な成果:【例:新規顧客5件獲得、売上目標110%達成】 課題となった行動:【例:報告のタイミングが遅れることがある】 本人の強み:【例:粘り強いフォローアップ】 出力形式:上司視点の客観的な文章で。本人への語りかけではなく、評価者が記載する文体にしてください。
② 1on1の質問リストを5分で準備する
1on1面談の事前準備
あなたは部下育成の専門コーチです。以下の情報をもとに、1on1面談で聞くべき質問を5〜7個提案してください。 部下の状況:【役職と担当業務(例:チームリーダー・新サービス立ち上げ担当)】 最近の様子:【例:忙しそうで発言が少ない、昇格後3ヶ月でまだ慣れていない様子】 面談の目的:成長支援・課題の把握・モチベーション確認の3点を意識してください。 出力:質問文のみのリスト形式でお願いします。
③ 部下の成長記録を月次でまとめる
月末の部下育成記録作成
あなたは人材育成の記録整理を支援するアシスタントです。以下の箇条書きをもとに、部下の今月の成長記録を整理してください。 対象者:【名前・役職(例:山田さん・中堅営業担当)】 今月の記録素材: 【例: ・先月より報告のタイミングが早くなった ・難しいクレーム対応を一人でまとめた ・新人への自主的なOJTを始めた】 出力形式:①よかった行動(具体的に)②成長ポイント・課題③来月への期待、の3段構成で200字程度にまとめてください。
評価コメントって、どうしても後回しになりがちですよね。
1on1の準備も含め、「人への文章」はAIが意外と得意な領域です。下書きを直す作業に変えるだけで、だいぶ楽になります。
まず1本、Geminiに頼んでみてください。