提案の準備に2〜3時間かけて、競合調査と業界トレンドのまとめだけで午前中が終わってしまう。事業開発の仕事ではよくある光景です。案件を取りに行くより、取りに行くための準備に時間を食われる。メールを書いて、資料を読んで、整理して、ようやく「で、何を提案するんだっけ」という段階にたどり着く。
KDDIは生成AIを活用し、営業資料の情報収集時間を約74%削減しました。資料の解析とスライドの要約生成、検索プロンプトの補完をAIが2段階で処理する仕組みで実現しています。特別な開発チームではなく、現場の業務課題から積み上げた取り組みです。同社では営業担当が扱う情報量が多く、既存のやり方では追いつかなくなっていたことが導入のきっかけです。
Microsoft 365 Copilotを使えば、同じ方向の効率化を明日から始めることができます。
競合調査・提案書の速度を変えるCopilotの使い方
まず、業界レポートや競合他社の資料をCopilotに読ませる。PDFをCopilot Chatに添付して「A社とB社の戦略の違いを3点にまとめて」と指示すると、ざっと読んで整理する30分の作業が数分に縮まります。細かいところは見落とすこともあるので、重要な資料は最終確認を入れるとよいです。
提案書の骨子づくりも同じです。「製造業向けのコスト削減提案、10ページ構成で章立てを作って。読み手は決裁者クラスを想定」と入力するだけで構成案が出てきます。ゼロから考えるより、Copilotの叩き台に肉付けする方が速い。そのまま使えることは少ないですが、「どう整理するか」で悩む時間がなくなります。
市場調査の週次まとめも任せられます。「今週の〇〇業界の主な動向を5件まとめて」と定期的にCopilot Chatに入力するだけで、情報収集がほぼ自動化に近い形になります。商工中金が実践した顧客フォローのAI半自動化でも、こうした情報処理の効率化が営業担当の行動量増加に直結した事例として紹介されています。
情報収集が速くなると、案件数が変わる
時間が空くと、行動量が増えます。1日かけていた情報収集が午前中に終われば、午後に商談のアポを入れられます。それだけのことですが、月単位で積み上げれば接触件数が変わります。
KDDIの74%削減は数字として極端に見えますが、実際にCopilotを使い始めると「この作業、今まで何時間かけてたんだろう」と気づく場面が出てきます。週10時間の情報収集が半分になれば、その5時間を提案の質を上げることや新しい案件を探すことに使えます。事業開発の仕事は情報量よりも、集めた情報をどう動きに変えるかです。
Copilotはあくまで準備を速くするツールです。案件を取るのは自分。ただ、準備の時間が空けば動ける回数が増える。それが事業開発の結果を変える、一番シンプルな理由です。
コピペで使えるプロンプト集
① 競合他社の戦略を素早く比較整理するプロンプト
提案前の競合調査
あなたは事業開発部門のリサーチアシスタントです。以下の競合他社【A社・B社・C社】について、添付した資料をもとに3社の戦略を比較してください。比較軸は【価格帯・ターゲット業界・強みと弱み・最近の動向】の4点です。各社300文字以内でまとめ、最後に「自社にとっての差別化ポイント」を1〜2文で示してください。出力形式は比較表の後に総括コメントを付けてください。見落としがあれば指摘してください。
② 商談前の提案書骨子を5分で作るプロンプト
新規提案書の初稿作成
あなたは提案書作成のエキスパートです。私は【製造業・小売業・金融業(業界を選択)】の新規顧客に対して【解決したい課題やテーマ】の提案を行います。顧客の主な課題は【課題1・課題2・課題3】です。以下の要件で提案書の章立てと各章の要点を作成してください。①全体ページ数: 10〜15ページ ②構成: 課題定義→解決策→導入事例→費用対効果→次のアクション ③各章に含める主なメッセージを1文で ④読み手は決裁者(部長〜役員クラス)を想定
③ 業界トレンドを毎週10分でキャッチアップするプロンプト
週次の市場動向収集
あなたは【業界名】市場の専門アナリストです。今週(【対象期間や日付】前後)の以下の項目について、最新の動向をまとめてください。①主要プレイヤーの動き(M&A・新製品発表・提携など) ②市場全体のトレンドや規制の変化 ③競合が注力している領域 ④事業開発担当として注目すべきビジネスチャンス。各項目を3〜5行以内でまとめ、特に重要な情報は冒頭に【要注意】と付けてください。企業名・サービス名を具体的に含めてください。
提案準備だけで午前中が終わる感覚、事業開発に関わる人なら本当によくわかります。
KDDIの74%削減という数字は驚きですが、実際にCopilotで資料を読ませ始めると「今まで何に時間を使ってたんだろう」と気づく瞬間が来ます。
まず手元の競合資料を1枚、Copilot Chatに投げてみてください。実感が一番の説得力です。