GoogleがGemini OmniをGeminiアプリのPlus・Pro・Ultraの全サブスクライバーへ展開したことで、会議録音や音声ファイルをGeminiに直接渡して要約・分析できるようになった。文字起こしツールを間に挟む必要が、なくなった。

Gemini Omniが文字起こしを経由しない理由

音声ファイルをAIに渡すと、従来は一度テキストに変換されてから処理されていた。その変換の過程で、話者の切り替わり、声のトーン、沈黙のタイミングといった情報が失われる。テキストになった段階では「誰が何を言ったか」は残っても、「どんな温度感で話されたか」は消えていた。

Gemini Omniはそのプロセスを持たない。テキスト・音声・動画をはじめからひとつのモデルとして受け取るアーキテクチャで、音声情報がそのままモデルへ届く。「Aさんが繰り返し懸念を示した箇所だけ」「承認された発言のみを抽出」といった精度の高い指示が通るのは、そのためだ。

会議録音からそのまま議事録が出てくる手順

Geminiアプリでファイルアップロードのアイコンをタップし、会議録音か動画ファイルを選んで指示を入力するだけ。「議事録を作って」「決定事項だけをリストアップ」「発言者ごとにまとめて、異論のあった箇所に印をつけて」といった具体的な指示が通る。文字起こしのステップはいらない。

顧客ヒアリングの録音も同様だ。1時間のインタビュー音声を渡して「課題として言及していた内容を整理して」と指示すれば、営業が手で書き起こしていた情報整理が数秒で完結する。社内に眠っていた録音が、使える情報として引き出せるようになった。

会議の種類によって指示を変えるのもいい。キックオフ会議なら「誰が何を担当することになったか」、商談なら「先方の懸念と次のアクション」、レビューなら「改善提案と優先順位」といった形で、目的に合った切り口で整理できる。

プレゼン動画や研修録画も解析できる

会議録音だけでなく、動画ファイルも同様に扱える。自社や競合のプレゼン動画を渡して「主要メッセージを3点で整理して」「どのスライドで強調されていたか」と聞ける。採用説明会やセミナーの録画を後から振り返る用途にも使える。

対象はGoogle AI Plus・Pro・Ultraの有料プランのみで、無料プランへの展開時期は現時点で未定だ。

文字起こし変換がなくなる意味

これまで会議後に議事録を作るには、録画をダウンロードし、文字起こしツールに通し、出てきたテキストをAIに貼って整理するという手順が必要だった。その流れが、録音ファイルをGeminiに渡すだけに変わる。Microsoftも8月からTeamsで会議アーカイブを標準搭載する方向で動いており、ツールを問わず会議情報を自動で処理する流れが加速している。

記録に使っていた時間が、判断に使える時間へ変わる。Gemini Omniが全有料プランで使えるようになった今週が、その試し始め時だ。

ドリップドリップ(執筆)

会議の録音って、ファイルが溜まるばかりでなかなか活用できていない方、多いんじゃないかと思います。

Gemini Omniの面白いところは、テキストへの変換を経ずに「声の情報」を直接読み取れること。誰がどんな温度感で何を言ったか、というニュアンスが記録に残るようになります。

社内に眠っている録音を一本、今日試してみてください。きっと発見があります。

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