エージェント設計で詰まる理由
タスクの自動化を調べ始めたはいいものの、何をどこに書けばいいかわからないまま、結局ChatGPTに手動で指示を貼り付けて終わる。そういう使い方で止まっている人は多いと思います。「エージェントを試したい」という気持ちはあるのに、設計のイメージが持てなくて手が止まる。その状態を解消してくれる具体的な参照モデルが、これまで乏しかったのが正直なところです。
Gemini Enterpriseが示した設計の骨格
2026年4月、GoogleがGemini Enterpriseのエージェントプラットフォームを内部テスト中であることが明らかになりました。Google I/Oを前にしたこのタイミングで、そのUIの構成要素が業務エージェントの設計を考えるうえで非常に参考になります。内部テストで確認されているのは大きく三つで、タスクUIによる目標の明示、アプリ接続の設定、そして「人間レビュートグル」と呼ばれる承認フローのオン・オフ切り替えです。
この三つが一セットになっているという点が重要です。多くの人がエージェント設計でつまずくのは、「AIに何をさせるか」より「AIがやったことをどう確認するか」の設計が抜けているからです。Gemini Enterpriseの構成はその順番を明確に示しています。まず目標を書く、次に使うアプリを接続する、最後に人間が確認を挟むかどうかを決める。これだけです。
今のChatGPTで同じ設計を試す方法
この三段構成は、現時点のChatGPTでも応用できます。まずプロンプトの冒頭に「このタスクのゴールは〇〇です」と目標を一文で書きます。次に「使う情報源はGoogleカレンダーのエクスポートデータとメールの添付ファイルです」のように、AIが参照するデータを明示します。最後に「各ステップの結果を確認してから次に進んでください」と承認ポイントを指定します。
この三段を入れるだけで、AIが途中で想定外の処理を進めるリスクをかなり下げられます。特に承認の指示は、慣れていないうちは必ず入れておくほうがいいです。
最初から全自動にしようとしない
Gemini Enterpriseがトグル一つで承認フローをオン・オフできるように設計しているのは、信頼度が上がれば自動化の度合いを上げられるという段階設計の思想があるからです。最初から全自動にしようとするから設計が難しくなる。最初は全確認、慣れたら一部自動、という順番のほうが現実的です。
Google I/Oで正式発表されれば、この設計思想はより広く共有されるでしょう。ただ、骨格はすでに出ています。目標・接続・承認の三要素を自分の業務に当てはめて、今日のChatGPTで試してみてください。
すぐに試せる三段プロンプトの型を一枚にまとめた資料を用意していますので、実務に取り入れる際の参考にしてみてください。
コピペで使えるプロンプト集
① AIエージェントの目標・承認・接続設計を構造化
業務自動化を検討中のPMや情シス担当者が、AIエージェント設定の何から始めるか迷って手が止まっている時
あなたはAIエージェント設計の専門コンサルタントです。私は【業務名:例 月次レポート自動生成】をAIエージェントで自動化したいですが、設定の何から始めるべきか分かりません。まず①達成すべき最終目標の言語化、②人間が承認すべき判断ポイントの洗い出し、③必要なツール・API接続の優先順位の3ステップで整理してください。出力は各ステップを見出し付きの箇条書き3〜5点(各40文字以内)でまとめてください。現場で即使える具体的な参照モデルとして最高の設計書を期待しています。
② AIエージェントの承認フロー設計書を5分で作成
業務担当者がAIに任せる範囲と人間が介在すべき判断ポイントを明確にしたい時
あなたはリスク管理と業務設計のプロコンサルタントです。私の部署では【業務名:例 請求書の仕分けと支払承認】をAIエージェントに担わせようとしています。目的は人的ミスの削減と処理速度向上です。以下の順で承認フロー設計書を作成してください。①AIが自動実行してよいタスク一覧、②必ず人間が確認すべき判断基準(条件・金額・例外ケース)、③承認者の役割と通知タイミング。出力は表形式(列:項目/AI対応/人間対応/備考)で10行以内にまとめてください。現場ですぐ共有できる実践的な設計書を期待しています。
③ AIエージェント導入の社内説明資料トークスクリプト作成
AIエージェント導入を上司や現場メンバーに説明するための資料作りに困っている担当者が使う場面
あなたは社内変革とAI導入推進の専門コンサルタントです。私は【対象業務:例 営業日報の自動要約・共有】にAIエージェントを導入することを、【説明相手:例 現場の営業メンバー15名】に説明したいです。まず①導入の目的と現状課題、②AIが担う作業と人間が担う作業の切り分け、③懸念される反発への回答例の順で整理し、3分で話せるトークスクリプトを作成してください。文章は話し言葉・丁寧語で、各パート100文字以内を目安にしてください。「自分の仕事が奪われる」という不安を和らげる表現を必ず含めてください。納得感の高い説明資料を期待しています。
AI編集部コメント
「エージェントって難しそう」と思っていた方にとって、目標・接続・承認という三つの要素に整理されるだけでずいぶん近づいた感じがしませんか。
個人的に面白いと思ったのは、承認フローを「最初はオン、慣れたらオフ」という段階で考える発想です。完成形から逆算しなくていいんだ、というのは気持ちがラクになりますね!
難しく考えずに、今日のChatGPTでまず一度この型を試してみるだけでも十分なスタートになると思います。