市場調査のレポートまとめが3日かかる。事業計画書の論点整理だけで午前中が終わる。役員向け提案書のストーリーを練りながら、気づけば深夜だ。経営企画や事業推進の仕事は、「考える時間」よりも「まとめる時間」に消費されることが多い。

日清食品が証明した、ChatGPT×業務の現実

日清食品ホールディングスは、ChatGPTをベースにした社内ツール「NISSIN AI-chat」を全社展開し、営業担当者1人あたり年間250時間の業務削減を実現した。営業の7割以上が毎日生成AIを使っている。

特別な技術部門の話ではない。提案書のたたき台を作る、競合調査の結果を整理する、資料のメッセージを磨く。日常業務にChatGPTを組み込んだだけで、1人年250時間が生まれた。経営企画・事業推進でも同じことができる。

市場調査の「まとめ3日」を変える使い方

ChatGPTに渡せるのは、既にある情報の整理と分析だ。業界レポートから抜き出したテキスト、競合のプレスリリース、市場データの数字。「以下の情報を元に、〇〇市場の主要トレンドと自社への示唆を3点ずつ整理してください」と投げると、構造化されたサマリーが返ってくる。「競合3社の強みと弱みをPPT1枚分の箇条書きで」のように出力形式まで指定すれば、そのまま資料に転用できる。

1から調査するのは人間の仕事だが、集めた情報からインサイトを引き出す作業はChatGPTが得意とするところ。市場調査や提案書の情報収集をAIで効率化するやり方はCopilotでも共通で、ツールが変わっても同じ発想で使える。

事業計画書の論点を「壁打ち」で固める

事業計画書で詰まるのは、数字ではなく「なぜ今この事業をやるのか」という論理の組み立てだ。ChatGPTに「〇〇事業を立ち上げる背景として、市場環境・競合・自社の強みを踏まえた論点を出してください」と聞くと、見落としがちな視点が出てくる。最初に全体構成を一緒に設計しておくと、各セクションの執筆もスムーズになる。

全部任せるのではなく、壁打ち相手として使うのが正解だ。自分が考えた論旨をChatGPTに読ませて「この論理に穴はあるか」と聞く。出てきた指摘を受けて自分で修正する。ChatGPTと共著するイメージで進めると、ストーリーの精度が上がる。

役員向け提案書を「想定外の視点」で磨く

社内提案書で行き詰まるのは、「読む人が何を気にするか」が見えないときだ。ChatGPTに「役員が〇〇事業への投資を決める際に懸念するポイントを5つ挙げてください」と聞くと、自分では気づかなかった視点が出てくることがある。「財務インパクト」「競合リスク」「実行体制の妥当性」あたりは、先回りして潰しておくと提案がスムーズになる。

それを踏まえて資料を修正し、再度「この提案書のメッセージが明確か、フィードバックをください」と投げる。2〜3回繰り返すだけで、単独で仕上げるより格段に質が上がる。読んだ相手が頭の中で補完しなくていいレベルに仕上がる。深夜作業が不要になる。

経営企画の仕事で「まとめる時間」に消費されていた部分をChatGPTに渡すことで、本来の「考える仕事」に集中できるようになる。日清食品の年間250時間削減は、特別な予算や技術の話ではない。毎日の業務に組み込むだけで、同じ変化が起きる。まず市場調査のまとめ作業から試してみるといい。

ドリップドリップ(執筆)

経営企画の仕事、資料を作り続けながら「本当にこれが自分のすべき仕事か」って思う瞬間、ありますよね。

ChatGPTは「考える」を奪うのではなく、「まとめる」を引き受けてくれるツールだと気づいてから、使い方が変わった気がします。1人年250時間というのは、丸1ヶ月以上。その時間が、戦略を練る時間に変わる。

まず1業務から試してみてください。「使えた」という実感が、次のステップへの背中を押してくれます。

コピペで使えるプロンプト集

① 市場情報からトレンドと示唆を整理するプロンプト

市場調査レポートの分析・整理

あなたは経営企画担当の優秀なアシスタントです。以下の市場情報を分析し、【〇〇業界】の市場動向レポートを作成してください。

【分析対象の情報】
(業界レポートの抜粋、競合プレスリリース、市場統計などを貼り付ける)

以下の観点で整理してください。
1. 主要トレンド(3点):市場で起きていることと背景
2. 競合動向(3点):主要プレイヤーの動きと意図
3. 自社への示唆(3点):機会とリスクを分けて記載

出力形式:PowerPoint1枚分のサマリー(箇条書き、見出しつき)
対象読者:経営層向け
文字数:500字以内でコンパクトに
経営・企画調査・分析

② 事業計画書の論点と論理構成を整理するプロンプト

事業計画書の骨子作成・論点チェック

あなたは事業計画書の作成を支援する戦略コンサルタントです。以下の事業概要に基づき、投資判断に耐える事業計画書の論点整理を行ってください。

【事業名】:【〇〇事業】
【背景・目的】:【〇〇という課題を解決するため、〇〇市場に参入する】
【ターゲット顧客】:【〇〇業界の〇〇担当者】
【差別化ポイント】:【〇〇】

以下を出力してください。
1. この計画を支える主な根拠・論点(5点)
2. 経営層が懸念しそうな反論・弱点(3点)
3. 上記の弱点への対応方針(3点)
4. 全体の論理構成で見落としている観点があれば指摘
経営・企画企画・立案

③ 役員向け提案書のフィードバックを求めるプロンプト

社内提案書の品質向上・仕上げ

あなたは厳しい目を持つ経営企画の上司です。以下の社内提案書を読み、投資判断を行う役員の視点でフィードバックをください。

【提案書の内容】
(提案書のテキストをここに貼り付ける)

以下の観点で評価してください。
1. メッセージの明確さ:1文で何を提案しているか伝わるか
2. 論理の一貫性:課題→解決策→効果の流れに飛躍がないか
3. 数字・根拠の妥当性:主張を裏付ける根拠が十分か
4. 懸念点の先取り:財務リスク・実行体制・競合対策が触れられているか
5. 改善提案:優先度の高い修正点を3つ具体的に
経営・企画資料・ドキュメント作成