見積書が3社分そろった。でも比較表をExcelで作り始めると、単価の基準が違う、送料が別途かどうか不明、支払い条件も微妙に異なる——気づけば1時間が溶けている。購買担当者なら、この感覚に覚えがあるはずです。
Perplexityに「条件を揃えて」比較させる
Perplexityを使えば、各サプライヤーの見積書をテキストで貼り付け、「単価・最小発注量・支払い条件・納期・送料を同じ列に並べて比較表を作ってください」と指示するだけで、バラバラな書式をひとつの表に整えてくれます。3社比較なら、手作業で20分かかるところが3分で完了します。
比較の軸は自分で決めることが肝心です。品質基準、アフターサービスの有無、過去の納期遵守率など、自社にとって重要な評価項目を先に列挙してから依頼すると、見落としのない評価表が出来上がります。Perplexityはウェブ検索とAI分析を組み合わせているため、サプライヤーの公開情報も同時に調べさせることができます。
サプライヤー評価レポートを3分で下書きする
新規サプライヤーの評価作業も、AIが大幅に効率化できます。Perplexityに「この会社の企業概要・財務安定性・業界での評判・主要取引先について調べてください」と依頼すると、一次情報をすばやく収集できます。ISO認証の有無や業界団体への加盟状況なども、一度の質問で整理できます。
ただし、最終判断は必ず担当者が行うこと。AIが集めた情報をたたき台に、電話ヒアリングや現地訪問で補完するのが現実的な使い方です。また、取引開始時の契約書レビューもAIに任せると、初回取引の準備全体をスムーズに進められます。
カルビーが示した「調達×AI」の方向性
カルビー株式会社は2026年7月、工場・調達・物流・営業・財務など全部門のデータをAIが統合する社内システム「C-BOSS」(Calbee Business Optimization Simulation System)を全部門で本格稼働させました。調達部門のデータも組み込んだ部門横断のシミュレーションにより、SKU数を約20%削減できる見込みです。
調達単体で見れば地味な最適化でも、発注量・在庫・販売見込みをひとつにつなげてAIに見させると、「どのサプライヤーから何をどのタイミングで買うか」という意思決定の質が変わります。調達担当者がデータをどう整えて使うか——そこが問われています。
発注管理メールの文面作成を任せる
毎週繰り返す発注メールも、AIに任せられる作業のひとつです。ChatGPTやClaudeに「品番・数量・希望納期・支払い条件を含めた発注確認メールを丁寧なビジネス文体で書いてください」と依頼すれば、ゼロから書く手間がなくなります。
定型フォームに近い内容なら、一度作ったプロンプトをテンプレートとして再利用できます。月100本の発注メールなら、1本あたり5分の短縮でも月8時間の削減になります。よく使う発注先・品目・条件をプロンプトに組み込んでおけば、毎回の入力は最小限になります。
まず「1業務」から試す
購買・調達の業務は範囲が広い。見積比較・サプライヤー評価・発注管理・在庫照会・支払い確認——すべてを一気にAI化しようとすると、どこから手をつければいいかわからなくなって止まります。
まず「見積比較の下書き作成」だけをAIに任せてみてください。慣れてきたら評価レポート、次に発注メール、と順番に広げていく。一週間で全部変えようとしないのが、実際に定着させるコツです。
コピペで使えるプロンプト集
① 見積書の一括比較表を作る
複数サプライヤーから届いた見積書を並べて比較したいとき
あなたは購買担当者のアシスタントです。以下の情報を整理して、見積比較表を作成してください。 【比較対象】【A社・B社・C社など社名を入力】 【見積内容】(各社の見積書の内容をここに貼り付けてください) 以下の項目を横並びの表形式でまとめてください: 1. 単価(円) 2. 最小発注単位 3. 納期(発注から何営業日) 4. 送料・配送条件 5. 支払い条件 6. 有効期限 7. 気になる点や不明点 比較できない項目があれば「要確認」と記入してください。
② 新規サプライヤーの評価レポートを下書きする
初めて取引するサプライヤーを事前調査・評価するとき
以下のサプライヤーについて、取引前の評価レポートを作成してください。 【社名】【会社名を入力】 【業種・取り扱い品目】【例:自動車部品・金属加工品など】 調べてほしい観点: 1. 企業概要(設立年・従業員数・売上規模) 2. 主要取引先と業界での評判 3. 財務健全性(上場企業なら有価証券報告書より) 4. 品質管理体制(ISO認証・業界団体加盟の有無) 5. 気になるリスク要因 情報が取れなかった項目は「要確認(直接問い合わせが必要)」と記載してください。
③ サプライヤー宛ての発注確認メールを作る
仕入れ先へ発注書を送るときのメール文面を作るとき
以下の情報をもとに、サプライヤー宛ての発注確認メールを丁寧なビジネス文体(ですます調)で作成してください。 【送信先】株式会社【サプライヤー名】御中 【担当者名】【担当者名があれば】様 【発注品番・品名】【例:品番A001 ステンレスボルト M6×30】 【数量】【例:1,000個】 【希望納品日】【例:2026年10月15日(水)】 【納品先】【例:〇〇工場 資材倉庫】 【支払い条件】【例:納品翌月末払い】 【特記事項】【例:梱包は1箱50個入り指定、納品書3部同梱のこと】 メール末尾には「確認事項があればご連絡ください」の一文を加えてください。
見積書の書式が会社ごとにバラバラで、比較するだけで疲れる——その気持ち、すごくわかります。
AIが「条件を揃える」作業を引き受けてくれると、担当者が本来集中すべきサプライヤーとの関係づくりや交渉に時間を使えるようになりますね。
まず1社分の見積書だけ試してみてください。思ったより早く感覚がつかめます。