BOQ Groupが Microsoft 365 Copilot を活用し、全従業員の70%が1日30〜60分の業務時間削減を実現しました。
「銀行でAIは使えない」という壁に直面していた
Bank of Queensland Group(BOQ Group)は豪州に拠点を置く銀行グループです。コンプライアンス要件・データ保護規制・監査対応が厳しい金融業界では、「AIツールの導入はリスクが高い」という認識が根強くあります。BOQ Groupも同じ壁に直面していました。
担当者の業務は、情報を探す・メールを書く・会議後にまとめる、という作業に多くの時間が費やされていました。改善は求められていましたが、外部ベンダーのAIサービスをシステムに接続することへの抵抗は大きいままでした。
Microsoftエコシステム内で完結させた設計が審査を通過
BOQ Groupが選んだのは、既存のMicrosoft 365環境に直接組み込めるCopilotです。新たなシステム連携を最小化し、データをMicrosoftのセキュリティ境界の内側に留める設計が、社内のコンプライアンス審査を通過させました。
活用は日常業務全体に広がりました。メールの下書き、Teams会議の自動要約、社内規程・ポリシーの検索、レポートの初稿作成——これまで担当者が1時間かけていた作業が、Copilotを使うことで数分で完了するケースが増えていきました。
70%の従業員が「1日最大1時間削減」を実感
導入後の結果は定量的に確認されました。全従業員の70%が1日あたり30〜60分の業務時間削減を実感しています。年換算すると1人あたり130〜260時間。コスト換算でも確実なROIが出るレベルです。
注目すべきは「70%」という数字の広さです。全社展開では、一部のヘビーユーザーだけが効果を感じるケースが多い傾向があります。BOQ Groupでは、デジタルリテラシーの差を超えて幅広い層で成果が出ました。
成功を支えた3つの設計判断
ひとつは、Microsoftエコシステム内での完結です。既存の認定済み環境を使うことで、情報セキュリティ担当者への説明がシンプルになりました。「既存の承認済みベンダーの拡張機能」として申請できる点が、審査工数を大幅に減らしました。
次に、日常ツールへの自然な組み込みです。Outlookで開けばCopilotがある、Teamsで会議を終えれば要約が出る——使うための「別画面への切り替え」が不要です。学習コストが低い分、使い始める人が増えました。
最後に、効果の数値化です。「便利になった気がする」ではなく「70%が30〜60分削減」という計測値を取ったことで、継続投資の判断根拠が作られました。
規制業界の担当者が今すぐ参考にできる視点
BOQ Groupの事例が示すのは、「規制業界こそMicrosoftエコシステム内から始めるべき」というシンプルな指針です。
Microsoft 365を既に導入している企業であれば、大規模な調達・審査なしにCopilotのトライアルを始められます。株式会社学情のCopilot事例では、導入3ヶ月でアクティブ率100%・5,004時間削減を達成しており、展開設計の参考になります。
また、VodafoneのCopilot全社展開事例では週3時間削減というデータが出ています。BOQ Groupの「1日30〜60分」、Vodafoneの「週3時間」——対象業務と計測方法で数字は異なりますが、いずれも確実なROIを示しています。
まず「3ヶ月で何時間削減できるか」を仮説として立て、対象部門を限定した小規模展開から始めるのが現実的です。規制業界だから後回し、ではなく、規制業界こそMicrosoftの承認済み環境を活用できるという視点が突破口になります。
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銀行や金融機関のIT担当者から「AIを使いたいけど、コンプライアンス審査が通らなくて」という声はよく聞きます。
BOQ Groupがうまくいった理由のひとつは、新しいシステムを入れるより先に「既存の承認済み環境をそのまま使う」という設計判断をしたから。この発想の転換、他の規制業界でもそのまま使えます。
「うちは業種が違うから」と先送りしていた方こそ、この事例の設計思想は参考になるはずです。