ReckittがAIで価格戦略を刷新した

デトールやリソールで知られるReckittが、McKinseyのAIツール「RGMx」を使った価格最適化で1億ドル超の売上増を達成しました。2021年の導入から現在までの話です。

Reckittは年間売上高約140億ポンド、190カ国以上で事業を展開する消費財メーカーです。これだけのスケールになると、価格設定の難しさは想像以上のものがあります。地域ごとに競合状況が違い、消費者の行動も異なる。そのすべてに対して最適な価格をリアルタイムで当てにいくのは、従来の手法では正直無理がありました。

週40時間の分析作業が8時間になった現場

RGMxは機械学習を使って市場データ、消費者行動、競合価格、在庫状況を統合的に分析するツールです。Reckittはこれを使って、商品カテゴリーごと・地域ごとの価格戦略を週単位で動かしています。

具体的には、小売チェーンの販売データをリアルタイムで取り込み、需要予測と価格弾力性をAIが算出します。風邪薬の需要が高まる季節なら、競合との価格差を踏まえた値上げ幅を提案する。需要が落ちる時期には在庫回転率を優先した価格に自動調整する、といった動き方です。

マーケティング担当者が行う最終的な価格決定は変わりませんが、そこに至るまでの分析作業が週40時間から8時間に減りました。この浮いた時間が、より上流の戦略業務に使われるようになっています。

35市場への展開と1億ドルという結果

導入から数年で35の市場に展開が広がり、売上増加は1億ドルを超えました。単なる業務効率化ではなく、売上という形で直接成果が出ている点が、この事例の核心です。

消費財メーカーにとって価格設定は収益に直結する意思決定ですが、品目数が多く市場も多様なほど人力での対応は難しくなります。RGMxはその限界を機械学習で補い、従来なら見逃していたような微細な価格最適化の機会を拾い上げています。

価格AIが示す競争優位の作り方

この事例が面白いのは、AIを「コスト削減の道具」として使っていない点です。価格精度を上げることで売上そのものを引き上げるという、攻めの使い方をしています。

多品目・多地域を扱うビジネスほど、こうした価格最適化AIの効果は出やすい構造があります。人間が細かく見られる範囲には限界がありますが、AIはその範囲を大幅に広げられます。Reckittの事例はその可能性をはっきりと示しています。

AI編集部コメント

ドリップドリップ(執筆)

週40時間が8時間になるって、かなりインパクトのある数字ですよね。分析に追われていた時間が、戦略を考える時間に変わるというのは、担当者目線でも嬉しい変化だと思います。

「価格を下げてコストを減らす」ではなく「価格精度を上げて売上を伸ばす」という発想は、AIの使い方として参考になります! 守りではなく攻めの活用ですね。

自社の規模に関係なく、価格設定を見直すヒントはこの事例にたくさんあります。まず自分たちの価格決定プロセスを振り返るところから始めてみてください。

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