WordでCopilotを使う3つの入口

Microsoft 365 Copilot in Wordは、文書作成の全工程をAIがサポートする機能です。2026年2月以降、新規ドキュメントを開くと「Draft with Copilot」が自動起動するようになり、白紙の状態からすぐに下書きを作れるようになりました。

使い方の入口は大きく3つあります。新規文書に表示される「Draft with Copilot」、既存文書の選択範囲に浮かび上がる「Copilotアイコン」、そして画面右側に展開する「Copilot Chatパネル」です。それぞれの用途は異なりますが、いずれもプロンプト(指示文)を入力するだけで動きます。

利用にはMicrosoft 365 CopilotライセンスがMicrosoft 365 Business Standard以上のプランに追加されている必要があります。料金は1ユーザーあたり月額約4,497円が目安で、インターネット接続環境も必須です。

プロンプトの書き方が出力品質を決める

Copilotを使い始めたばかりのとき、「提案書を書いて」と入力しても期待外れな出力になることが多いです。原因はプロンプトのコンテキスト不足で、Microsoftが推奨する「GCSEフレームワーク」を意識すると精度が大きく変わります。

GCSEはGoal(目標)・Context(文脈)・Source(情報源)・Expectations(期待値)の4要素です。たとえばこうなります。

「カスタマーサポートの新入社員向けに、製品Aのトラブルシューティングマニュアルのアウトラインを作成してください。先月の顧客クレームログデータを参照し、手順はステップバイステップで、専門用語を避けた平易なトーンで、A4サイズ2枚以内に収めてください。」

この4要素を揃えるだけで、汎用的な出力とは明確に差が出ます。特に「Expectations」でトーン・文字数・フォーマットを指定することが効きます。また、最初の出力を最終版とせず、「もっと短くして」「フォーマルなトーンに変えて」と追加指示を重ねていく反復調整がCopilot活用の核心です。

実務での使い方と主な機能

文書の下書き生成以外にも、Copilot in Wordには実務で使える機能がいくつかあります。

機能 操作 用途
Draft with Copilot 新規文書のダイアログに入力 ゼロからの下書き生成
Copilotアイコン 選択範囲の左余白をクリック 書き換え・トーン調整・表変換
Copilot Chat リボンの「Copilot」ボタンから起動 要約・特定情報の抽出・調査
Critique(批評)モード Chat経由で呼び出し 論理矛盾・データ不足の指摘

長文文書の要約は特に効果が出やすく、Web版では最大約80,000語相当のWordファイルを一括処理できます。100ページ超の議事録から発言者・内容・担当タスク・期限を表形式で抽出するといった作業が、数分で完了します。

契約書レビューでは「この文書の中で自社に不利な条項・曖昧な表現をすべて抽出し、リスクレベル(高・中・低)を付けてリストアップしてください」と指示することでチェックリストの初版が自動生成されます。ただし最終的な法的判断は必ず専門家が行うことが前提です。

ハルシネーションと情報管理の落とし穴

Copilotの出力をそのまま信用することは避けてください。数字・固有名詞・法律条文・日付などは必ず一次情報源で確認が必要です。プロンプトに「情報が不足している場合は推測で補わず『確認が必要です』と明記してください」という一文を加えると、事実の捏造リスクを抑えられます。

情報セキュリティも注意が必要です。顧客の個人情報・財務データ・未公開の製品情報をCopilotのチャット欄に貼り付けることは、社内のセキュリティポリシー次第でリスクになります。IT管理者が設定するDLPポリシーが不十分な環境では保護されないケースもあるため、使用前に必ず社内ルールを確認してください。

Copilotが参照できるのはSharePointまたはOneDriveに保存されたファイルに限られます。ローカルPC上のファイルは直接参照できないため、使いたいファイルは事前にアップロードしておく必要があります。1回のプロンプトで同時参照できるのは最大3ファイルです。

まず空白のWordを開いてプロンプトを入れてみる

理解するよりも試す方が早いです。空白のWordファイルを開いてDraft with Copilotダイアログにこの記事のプロンプト例をそのままコピーして貼り付けるところから始めてください。

日本語対応は整っており、日本語でプロンプトを書けば日本語で文書が生成されます。非常に専門的な業界用語については出力精度がやや落ちることがありますが、その場合はプロンプト内に用語の定義を補足するか、Agent Builderで社内文書を学習させると精度が上がります。

著作権についてはMicrosoftの利用規約上、生成コンテンツの権利はユーザーに帰属するとされています。ただし外部公開や商業利用の際は、人間によるレビューと必要に応じた法務確認を組み合わせて使うのが現実的な運用です。

すぐ使える形のプロンプト例を参考に、自分の業務に合った指示文を少しずつ育てていくと、Copilotの使いこなしは格段に早く進みます。

ドリップドリップ(執筆)

「提案書を書いて」だけで試して「なんか違う…」ってなるの、あるあるですよね。プロンプトに4要素を入れるだけでここまで変わるのか、と実感できるのがCopilotの面白いところだと思います!

個人的に「文調を変えずに校正するキラープロンプト」は早速使いたくなりました。自分の書き方が残るなら、校正に使う心理的なハードルが一気に下がりますよね。

まずプロンプト例をコピペして試すだけでいい、という入口の低さは本当にありがたいです。難しく考えずに一度手を動かしてみてください。

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