月末になると、各部門から届いたExcelを見比べながら数字を手で転記する。コメントは先月のものをほぼコピーして日付だけ変え、グラフを一枚一枚更新したら気づけば2日が消えている。経営企画や管理部門の担当者には、毎月繰り返される光景です。
ChatGPTに渡すと、下書きが出てくる
ClaudeやChatGPTに月次データと前月のレポートをそのまま貼り付けて「経営報告書の形式でまとめて」と入力すると、数字を拾い上げた文章が返ってきます。「前月比で落ちた項目を強調して」「原因の仮説を箇条書きで3つに絞って」と追加で指示すれば、内容も絞り込めます。
ClaudeはCSV形式や表データも直接読み取れます。Excelの表をコピーして貼るだけで数字を拾い、文章化まで一気にやってくれます。全部任せようとするのではなく、PMが会議後処理を効率化するときと同じように、まず下書きをもらって確認に集中する使い方が最も早いです。
精度が変わる、渡し方の3つのポイント
AIに下書きを任せるとき、3つのものを一緒に渡すと完成度が変わります。
①先月のレポートのサンプル——フォーマットを把握させると同じ構成で書いてくれます。②数字の背景を1〜2行——「この売上には返品調整後の数字です」など文脈を補足するだけで、的外れなコメントが大幅に減ります。③読み手の属性——「取締役会向け」「現場マネージャー向け」と指定すると、文体と強調するポイントを自動で調整してくれます。この3つが揃うだけで、修正の手間がかなり変わります。
ソニーグループが5.7万人にAIを展開して変えたこと
ソニーグループは社内LLMプラットフォームを自社開発し、5.7万人の従業員が日常業務でAIを活用しています。その結果、月5万時間(約300人分相当)の業務削減を実現しました。月次報告書の下書きや定型的な分析コメントなど「テキストを書く作業」をAIに委ねることで、本来考えるべき業務に時間を使える体制に変えています。
同じアプローチは、大企業専用の話ではありません。ClaudeやChatGPTは今すぐ使い始めることができ、月次データを渡すだけで試せます。
書く時間が減ると、考える時間が増える
下書きをゼロから作る必要がなくなると、「数字を確認して意味を解釈する」作業に集中できます。2日かかっていた報告書の準備が半日になれば、余った時間で翌月の仮説を立てたり、気になる数字の背景を深く調べたりできます。報告書の質が上がるのは、書く時間が減るからではなく、考える時間が増えるからです。
コピペで使えるプロンプト集
① 月次報告書の下書きを生成する
経営企画・管理部門が月次事業報告書を作成するとき
あなたは経営企画部門のシニアアナリストです。以下の月次データを基に、【読み手:取締役会 / 事業部長】向けの月次事業報告書の下書きを作成してください。 【当月データ】:[売上・費用・KPIの数値をここに貼る] 【先月のレポートサンプル】:[先月の報告書の本文をここに貼る] 【数字の背景】:[例:売上には返品調整後の数字を使用] 出力形式:①全体サマリー(150字以内)②部門別の実績と前月比③課題と来月への提言。数値は提供したデータのみを使ってください。
② 前月比コメントを自動生成する
月次レポートの各指標に対してコメントを書くとき
あなたは経営管理の専門家です。以下の数値の前月比コメントを生成してください。 【当月数値】:[ここに数値を入力] 【前月数値】:[ここに数値を入力] 【対象指標名】:[売上 / 費用 / KPIなど] 出力形式:・変化率(増減%)・変化の要因(考えられる理由を2点)・次月への影響(1文)。各項目は3行以内の簡潔な文章で書いてください。推測が含まれる場合は「と考えられます」と記載してください。
③ 報告書を読み手に合わせて書き直す
同じ内容を取締役会向け・現場向けなど複数の読み手に合わせて調整するとき
あなたは社内コミュニケーションの専門家です。以下の事業報告書の下書きを、指定した読み手に合わせて書き直してください。 【下書き】:[報告書の本文をここに貼る] 【読み手】:[取締役会 / 事業部長 / 現場マネージャー のいずれか] 調整方針:取締役会向けは数字とインパクト中心・簡潔に。現場マネージャー向けは具体的な行動指針を優先・専門用語は平易に言い換える。文体と強調ポイントを読み手に合わせて最適化してください。
月次報告書、「先月の使い回しでいいか」ってなる気持ち、すごくわかります。
先月のレポートと当月のデータを一緒に渡してみると、思った以上にそのまま使えるものが出てきます。「AIの出力をそのまま出す」じゃなくて「自分が確認する時間を作るために使う」という感覚が合うと思います。
まず1回、来月の月次で試してみてください。