毎月末、経理担当は同じ作業に3〜4時間を使う。前月の売上CSVをExcelに貼り付け、数式を確認し、グラフを更新して、マネジメント向けのコメントを書く。作業内容は変わらないのに、「人の手が必要」という前提が、誰も疑わないまま続いている。

この「毎月同じ作業」は、ClaudeとPythonで自動化できる。プログラミングの経験がなくていい。

ExcelレポートをClaudeとPythonに任せる5ステップ

ClaudeはPythonコードを生成できるAIだ。「月次売上CSVをopenpyxlで読み込んで、品目別の集計表とグラフ付きExcelを自動生成するスクリプトを書いて」と伝えれば、動くコードが返ってくる。ChatGPTやGeminiも同じ使い方ができるが、コードの精度と説明のわかりやすさでClaudeを選ぶ担当者が増えている。

ステップ1はデータソースの確定だ。CSVなのか、SAPや弥生会計からのエクスポートなのかを決める。列構成(日付・品目・金額など)も把握しておく。ステップ2はClaudeへの依頼。チャット画面に列構成を貼り付けて「品目別・月別の集計表を作りたい」「前月比の列も欲しい」と伝えるだけで、即座にコードが返ってくる。

ステップ3は自社テンプレートへの対応。既存のExcelテンプレート(会社のロゴや書式が入ったもの)に数値だけ埋め込むよう指示すると、フォーマットを崩さないスクリプトに書き直してくれる。ステップ4はエラー処理の追加。「データが空の月は警告を表示して」「ゼロ除算が起きても落ちないように」といった条件を伝えると、実運用で止まらないコードになる。

ステップ5はタスクスケジューラへの登録だ。WindowsならタスクスケジューラでPythonスクリプトを月末日の朝6時に自動起動するよう設定する。翌朝には出来上がったExcelが指定フォルダに入っている。担当者の手は一切かからない。

三菱UFJ銀行が90%削減した「毎月同じ作業」

同じ悩みを、大手金融機関も抱えていた。三菱UFJ銀行は2026年8月のAWS Summit Japan 2026で、生成AIを活用した業務フローチャート整備の成果を公開した。標準化作業の工数を11人日から1人日に圧縮、約90%の削減だ。属人的な手作業をAIで汎用化し、担当者が変わっても同じ精度で回せる体制を構築したという。

月次レポートの構造は、これと同じだ。入力データさえ決まっていれば、出力は毎回同じ。人間が毎回手を動かす必然性がない。

スクリプトを「動かし続ける」ための現実的な運用

最初のスクリプトが完成してからも、Claudeは使い続けられる。「今月からCSVの列構成が変わった」「新しい集計軸を追加したい」という変化が起きるたびに、既存コードをClaudeに貼り付けて修正を依頼すればいい。ExcelのCopilotとPythonの連携も同時に整備しておくと、Excelシート上で直接分析を走らせるルートも確保できる。

月次レポートの作成が「作る仕事」から「確認する仕事」に変わる。毎月消えていた3〜4時間が、分析と意思決定に使える時間になる。定型の集計とフォーマット作業は、もう自分でやらなくていい。

毎月同じExcel作業、やっていることはわかるけどやりたいかどうかは別の話ですよね。

Claudeにコードを書かせると、最初は「こんなに簡単でいいの?」という感覚があります。

その感覚が正解です。今日から始めてみてください。

コピペで使えるプロンプト集

① 月次売上レポートの自動化スクリプトを作成する

ExcelレポートをPythonで自動生成したい

あなたはPythonの専門家です。私は【経理担当者】で、毎月【CSVファイル(列:日付・品目・金額)】から月次売上Excelレポートを手作業で作っています。以下の処理を行うPythonスクリプトをopenpyxlで書いてください。①CSVを読み込む ②品目別・月別に売上を集計する ③棒グラフを生成する ④既存テンプレート【template.xlsx】のシートに数値を貼り付ける。データが空の場合は警告メッセージを表示してください。コードにはコメントを付けて、Pythonが初めての人でも理解できるようにしてください。
経理・財務レポート作成

② CSVフォーマット変更に合わせてスクリプトを修正する

月次データの列構成が変わったときの対応

以下のPythonスクリプト【スクリプト全文を貼り付け】は、CSVから月次Excelレポートを生成するものです。今月からCSVの列構成が変わりました。変更前:【日付, 品目, 金額】変更後:【取引日, 商品カテゴリ, 税込金額, 担当者】。新しい列構成でも同じ集計(品目別・月別の売上合計)が得られるよう修正してください。変更した箇所には「# 変更」のコメントを追加してください。修正後のスクリプト全文を出力してください。
経理・財務データ処理

③ 役員向け月次サマリーコメントを下書きする

月次レポートの経営コメント作成を効率化する

以下の月次実績データをもとに、役員会議向けのサマリーコメントを250〜300文字で書いてください。【前月比:+【◯】%、年間目標進捗:【◯】%、好調品目:【商品A】(前月比+【◯】%)、課題品目:【商品B】(前月比-【◯】%、原因:【在庫不足・競合値下げ等】)】。文体は「です・ます」調、数字は具体的に使い、前向きな姿勢で締めてください。役員が1分で状況把握できる簡潔さを最優先にしてください。
経理・財務レポート作成