Googleが検索結果の中に「ブランド専用のAI店員」を配置し始め、ユーザーはGoogleを離れることなくそのブランドと直接会話しながら商品を選べるようになりました。

「ビジネスエージェント(Business Agent)」という名称で2026年1月から米国の広告主向けにロールアウトが始まった機能です。Google Merchant Centerの設定画面から有効化でき、ブランドの公式サイト情報とMerchant Centerの商品データをもとに、ブランド独自のトーンで話すAIを作り出せます。ウェルカムメッセージ、会話の切り口、ブランドカラー、ロゴまでカスタマイズ可能で、チャット画面を見ても「Googleのチャット」ではなく「そのブランドのチャット」に見える仕上がりになります。

検索結果に「チャット」ボタンが現れる

実際の体験はシンプルです。ブランド名や商品名を検索すると、検索結果に「チャット」ボタンが表示されます。タップするとそのブランドのAI店員が起動し、「このシューズ、幅広の足でも大丈夫?」「プレゼント用に30代女性へのおすすめは?」といった質問にすぐ答えてくれます。このAI接客機能はAI ModeおよびGeminiアプリ内にも展開予定で、会話の中で商品の提案・比較・購入へのガイドまでこなす形になります。

AI Modeは2026年5月のGoogle I/Oで大きくアップデートされ、月間アクティブユーザーは10億人を突破しました。日本でも同時期にリリースされており、Googleで「何かを探す」体験そのものが、テキスト検索から会話型へと変わりつつあります。

Universal CartとUCP、Googleの中で買い物が完結する

このAI店員機能はそれ単体で終わりません。Googleが同時期に発表したUniversal CartとUniversal Commerce Protocol(UCP)が組み合わさると、ユーザーはGoogle Search上でそのまま購入できるようになります。UCPはShopifyやWalmartも参加するオープン規格で、AIが在庫確認から決済まで代行します。

「検索→ショップ訪問→購入」という流れが、「検索→チャット→購入(Google上で完結)」に変わる可能性が現実味を帯びてきました。花王がAIで商品企画を1.5カ月から0.5日に短縮したように、マーケターを取り巻くAIの環境変化は速く、担当者が今構えておくべき場所も自社ショップだけではなくなっています。

今週中に確認しておきたい3点

ビジネスエージェントの設定は現在米国法人が主な対象ですが、商品データの整備はどこの事業者も今から着手できます。優先度が高い準備は3点です。

商品タイトルと仕様をできるだけ詳細かつ正確に記載すること。価格・在庫情報をリアルタイムで更新できる体制にすること。そして、Google上のブランドプロフィールを取得・確認しておくこと。これらはAI店員機能だけでなく、AI Mode全体で「検索に選ばれるブランド」になるための基本整備でもあります。

AIが接客し、AIがカートに入れ、AIが決済する流れが日本市場にも来るタイミングは、想像より早そうです。

ドリップドリップ(執筆)

Googleの検索画面は毎日見るはずなのに、そこに「チャット」ボタンが現れるとき、それが自社ブランドの話になる日は思ったより近いかもしれません。

米国先行の展開ですが、商品データの整備はどの国の事業者も今すぐできます。先に準備した事業者が、AI時代の「選ばれるブランド」になる可能性があります。

今週、Merchant Centerのデータを一度見直してみてください。着手できることは、思ったより多いはずです。

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