月末が近づくと、経営企画の仕事はじわじわ増える。各部門から数字を集め、前月との差分を確認し、スライドを整え、役員に渡すコメントを書く。そのほとんどは、分析とは呼べない「整形作業」だ。
Microsoft 365 CopilotはExcel・PowerPoint・Outlookと一体になっているので、この整形作業の大半を引き取れる。最初に試してほしいのは、Excelのシートを開いた状態でCopilotに「売上と経費の変化をまとめて」と話しかけること。数式を書かなくても、差異の大きい項目を拾い上げてテキストで返してくれる。これが報告書の下書きになる。
PowerPointの叩き台をAIに出させる
次はスライド生成だ。Copilotに「この数字をもとに3枚のサマリースライドを作って」と指示すると、タイトル・グラフ・コメントの構成で叩き台を出してくれる。精度が粗くても問題ない。ゼロから作るより、AIが出した粗削りなスライドを直す方がはるかに速い。
数値の解釈は自分でやる必要があるが、フォーマット作業はCopilotに渡せる。ここに気づいた企業が動き出している。三井不動産は、ChatGPT Enterpriseを全社導入し資料作成にかかる時間を平均30%削減した。導入3ヶ月で全85部門に500件以上のカスタムGPTが稼働し、経営企画をはじめとする各部門が資料整形の手間を大幅に減らしている。月次レポートにかける時間が減れば、その分を「なぜこの数字が動いたのか」という分析に充てられる。それが本来の仕事だ。
Outlookの配信メールも同時に下書きさせる
見落とされがちな工程が、完成したレポートを送るメールの文章だ。毎月「お世話になっております。今月の月次レポートをお送りします」から始まる文章を書き続けるのは、時間の使い方として惜しい。Outlookで「添付の月次レポートを経営層に送る簡潔なメールを書いて」と指示するだけで下書きが出てくる。あとは一読して送信するだけだ。
データの集約・スライド生成・配信メールの3工程をCopilotに渡せば、月次レポートにかかる時間は確実に変わる。分析そのものは人間がやるべき仕事だが、その前後の「運搬作業」はAIが担える。月次だけでなく週次報告書の効率化にも同じ考え方が使える。毎月同じことを繰り返していると感じているなら、まず一工程だけ試してみてほしい。
コピペで使えるプロンプト集
① 月次売上データをCopilotで要約・コメント化する
Excelの月次データをCopilotに渡して報告書の下書きを作る
あなたは経営企画部門のアシスタントです。以下のExcelデータをもとに、月次レポートの経営層向けサマリーコメントを作成してください。 【対象期間】【当月】 【データ内容】売上・経費・利益の実績と前月比・予算比(数値は添付シートを参照) 出力形式: - 全体の動向を2〜3文で要約(増減の大きい項目を優先) - 注目すべき変化点を箇条書き3項目以内 - 次月への申し送り事項(あれば) コメントは役員が2分で読める分量にしてください。専門用語は最小限にし、意思決定に必要な情報だけを残してください。
② 月次レポートのサマリースライドを自動生成する
PowerPoint Copilotで月次報告の叩き台スライドを素早く作る
あなたは経営企画担当者のプレゼン資料作成アシスタントです。以下の情報をもとに、役員会向けの月次レポートサマリースライドを作成してください。 【報告月】【月】 【主要数値】売上:【金額】、前月比:【%】、予算比:【%】 【注目トピック】【例:新規顧客獲得数が目標比120%、物流コストが前月比+8%など】 出力形式: - スライド1:全体サマリー(数値ハイライト+1行コメント) - スライド2:プラス要因と懸念点の対比 - スライド3:来月の重点アクション(3項目以内) 各スライドはタイトルと箇条書き3項目以内に収めてください。
③ 月次レポート配信メールの下書きを作る
Outlookで月次レポート送付メールをCopilotに下書きさせる
あなたは経営企画部門の担当者です。月次レポートを経営層・関係部門長に配信するメールの下書きを作成してください。 【送付先】経営会議メンバー・各事業部長 【添付ファイル】【当月】月次経営レポート(PDF) 【特記事項】【例:今月は売上が予算を上回ったため、プラス要因を冒頭で触れてほしい】 出力形式: - 件名(30文字以内) - 本文(200文字以内。読んでほしい箇所と締め切りがあれば明記) 定型的な敬語表現は最小限にし、読み手がすぐ内容を把握できる簡潔な文体にしてください。
月末のレポート作業、毎回「また同じことをやっている」と感じながらやっていました。集計して、フォーマット整えて、コメント書いて……それだけで半日が終わってしまうことも。
Copilotを使い始めてから、あの「整形係の仕事」をAIに渡せると気づいて少し楽になりました。分析に使う時間が増えると、月次レポートが単なる義務じゃなくなってくるんですよね。
完璧に任せようとしなくていいです。「スライドの叩き台だけ出して」から始めると、意外とすんなり馴染みます。