見積書を3社分まとめて、価格の比較表を作って、発注メールの文面を考えて──気づいたら夕方になっていた。調達・購買の仕事は情報処理の連続です。個々の作業は難しくないのに、積み重なると1日が消える。そういう構造があります。

交渉前日の準備をChatGPTに任せる

サプライヤーとの価格交渉で最も時間がかかるのは、実は交渉当日ではなく準備の段階です。過去の見積もりを確認して、相場を調べて、こちらの主張の根拠を整理する。その作業をChatGPTに渡すと、かかる時間が半分以下になります。

プロンプトの例:「部品Aの調達先であるB社と来週価格交渉します。現在の単価は500円、目標は450円です。先方は価格変更に慎重なメーカーです。有効な交渉の切り口を3つと、断られた場合の代替案を提案してください」。これだけで交渉シナリオの骨格が10分で出てきます。想定問答や競合他社との価格差の整理も、続けて依頼できます。自分で一から考えるより、叩き台を修正する方が速いです。

複数の見積もりを比較する30分を3分にする

3社から届いた見積書を比較するとき、Excelで表を作り始める前にChatGPTに投げる方法があります。各社の見積もり内容をそのままテキストでコピーして貼り付け、「コスト・納期・条件の観点で比較表を作り、総合的な推薦とその理由を教えてください」と送るだけです。

完璧な分析が出るわけではないですが、判断の材料として十分な精度は出ます。「〇〇の観点が抜けている」と続ければその場で修正してくれます。その後Excelで整理するときも、見るべきポイントが頭に入った状態で作業できるので全体の効率が上がります。

「毎回やっている確認作業」をプロンプト化する

発注前に毎回チェックしている項目がある人は、それをプロンプトに落とし込んで使い回すのが一番効きます。在庫残日数・リードタイム・安全在庫基準をテキストで貼り付けて「発注が必要な品目と優先順位を教えて」と問えば、判断の補助ができます。毎週同じプロンプトを使い回せるので、テンプレートとして保存しておく価値があります。

大企業がAIでサプライチェーンを刷新する話は増えています。General MillsがAIで30億円超のコスト削減を実現した事例もそのひとつです。ただ、調達担当が今日から変えられることは大きなシステム投資ではなく、プロンプト1本から始まります。

調達の仕事はAIで「なくなる」のではなく「変わる」

ChatGPTが担うのは情報の整理と叩き台の作成まで。最終的なサプライヤーの選定や交渉の判断は、関係性や背景を知っている担当者にしかできません。AIが得意な反復処理をAIに渡して、自分は判断と関係構築に集中する──その使い方が調達業務では一番フィットします。

まず来週の交渉前に、準備プロンプトを1本試してみてください。変わり始めるのは、そこからです。

ドリップドリップ(執筆)

調達・購買の仕事って、1つ1つはそこまで大変じゃないのに、気づいたら夕方になってる──そういう日、ありますよね。

ChatGPTを「文書作成ツール」として使っている方が多いと思うのですが、交渉準備や発注判断にも使えると気づくと、見える景色がちょっと変わります。

まずは次の交渉前に、プロンプトを1本試してみてください。

コピペで使えるプロンプト集

① サプライヤー交渉の切り口と代替案を出す

あなたは購買担当者として、サプライヤー【会社名】との価格交渉を【交渉予定日】に控えています。
品目:【品目名】
現在単価…

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