チームリーダーになりたての頃、一番きついのは「人を見る仕事」より「書く仕事」だ。1on1の前日に何を話すか整理できていない。評価シートは締め切り2日前になってやっと手が動く。月次報告書は毎回ゼロから書いている。これはスキルの問題ではなく、準備に使える時間の問題だ。この3つはAIで半自動化できる。大がかりな設定はいらない。それぞれ、シンプルな1文の指示から始まる。
1on1のメモを5分で揃える
前日の夜、ChatGPTかClaudeを開いて入力する。「私はチームリーダーです。明日【メンバーの役割】と1on1をします。最近の状況:【今週の出来事・気になった発言・進捗の変化など】。確認すべき質問を5つと、会話の流れを提案してください」。コツは「最近の状況」の部分に具体的な情報を入れること。抽象的に書くほど、抽象的な提案が返ってくる。
SlackのメッセージやWeekly報告から気になった一文を貼るだけで精度が上がる。メンバーについての情報が少なくても大丈夫。「入社3年目の営業担当、最近タスクが増えている様子」という程度でも、具体的な質問を提案してくれる。「最近どうですか」だけで始まる1on1から抜け出せる。
評価コメントをゼロから書かない
評価シートで手が止まるのは「ふさわしい言葉が出てこない」場面だ。指示はシンプルでいい。「【メンバーの役割】の評価コメントを書きます。記録しておきたい事実:【実績・行動・変化の具体例】。評価コメントの形式で3パターン書いてください」。5分もかからずたたき台が出てくる。
出てきた文章はそのまま使わない。1〜2箇所だけ自分の言葉に直す。その「手入れ」があるかどうかで、受け取るメンバーへの伝わり方が変わる。「書き始める」だけで半分終わる。下書きがあるとそれができる。評価面談の直前にコメントを確認する余裕も生まれる。
月次報告書を15分で仕上げる段取り
月次報告書が重くなる理由は、数字と文章を同時に作ろうとするからだ。AIに渡すのは「事実の箇条書き」だけでいい。「今月の実績:【KPI・課題・アクション・来月の予定】。これをマネジメント向けの月次報告書形式にまとめてください」。骨格が5分で出てくる。あとは数字を確認して送るだけだ。
丸紅はChatGPT等の生成AIをグループ全社に展開し、翻訳・要約・文書作成の用途で年間120万時間の業務削減を達成した。削減の多くは「読んでまとめて書く」という地味な作業をAIに任せることで積み上がっている。月次報告書も同じ発想で削れる。
週次の定型業務もAIに任せる判断基準を持つと、報告書だけでなく書類仕事全体が変わる。書く時間が減ると、メンバーを観察する余裕が生まれる。それがマネジャーとして一番大事な仕事かもしれない。
コピペで使えるプロンプト集
① 1on1ミーティングの準備メモを作る
1on1の前日・当日朝の準備
私はチームリーダーです。明日【メンバーの名前または役割(例:新卒2年目の営業担当)】と1on1をします。 最近の状況: ・【今週起きた出来事や変化(例:新規提案を2件こなした)】 ・【気になった発言やSlackの内容(例:「忙しくて手が回らない」とつぶやいていた)】 ・【目標や進捗の状況(例:月目標の70%時点)】 以下を提案してください。 ①確認すべき質問5つ(オープンクエスチョンで) ②1on1の会話の流れ(冒頭・本題・締めの3段構成で) ③フォローアップすべき点があれば指摘 出力は箇条書きで、実際の会話で使えるトーンで書いてください。
② メンバー評価コメントの下書きを3パターン作る
半期・年次評価シートの記入時
私はチームリーダーです。【メンバーの役割(例:入社3年目のカスタマーサポート担当)】の評価コメントを書きます。 記録しておきたい事実: ・【実績の具体例(例:月平均対応件数を20%改善、クレームゼロを継続)】 ・【行動・姿勢の変化(例:後輩のOJTを自ら申し出た)】 ・【課題または成長余地(例:複雑案件のエスカレーション判断を練習中)】 以上をもとに、評価コメントを3パターン書いてください。各パターンは200〜300文字で、ポジティブな評価を軸に具体的な事実を含めてください。
③ 月次報告書の骨格をAIに作らせる
月末の上長向け報告書作成時
今月のチームの実績をまとめてください。 事実の情報: ・KPI達成状況:【例:売上目標に対して95%達成、件数は前月比+12%】 ・主な成果:【例:新規案件獲得3件、プロジェクトAが無事リリース】 ・課題とアクション:【例:メンバー1名の勤怠フォロー中。来月は業務分担を見直す予定】 ・来月の重点テーマ:【例:新製品の提案活動を強化。チーム目標を月初に設定し直す】 上記をもとに、マネジメント層向けの月次報告書を作成してください。構成:①今月のハイライト ②課題と対応状況 ③来月の方針。全体600〜800文字、ですます調で。
リーダーになりたての頃、書類に追われて「なんで自分だけこんなに仕事が増えた?」と感じる人は多いです。
AIに下書きを任せると「準備したという事実」が積み重なって、1on1も評価も少しずつ質が上がります。
まず次の1on1の前日に一度試してみてください。思ったより早く終わります。