月末になると、銀行の取引明細をダウンロードして、Excelに貼り付けて、科目に振り分ける。財務・経理を担当している人なら、毎月繰り返す作業として慣れ親しんでいるはずです。確認作業を含めると半日以上かかることもあります。

7月から、ChatGPT Plusに銀行口座を連携できる「Personal Finance」機能の展開が始まりました。対応金融機関の口座を接続すると、収支の確認や月次分析をそのままChatGPTに質問できるようになります。Excelに落とす前段階の手間が変わる可能性があります。

口座に接続したChatGPTで何ができるか

口座を連携後、「先月の支出の内訳は?」「固定費で増えている項目はどれ?」と聞くと、実際の口座データをもとに答えてくれます。これまでExcelに取り込んでから手動で確認していた手順を、一段省けます。

使い方を3つ紹介します。まず「月次サマリーの自動生成」。「今月の支出を先月と比較して増加が目立つ項目を教えて」と聞くだけで、要点をまとめた形で返してくれます。次に「予算消化の確認」。「光熱費・通信費の消化率は?」のように稟議前に手早く状況を把握できます。もう一つが「異常値の検出」。「先月より急増した支出はある?」と聞くと、通常とは異なる動きを早めに拾えます。月末に気づく前に途中で変化を捉えられる点が実務で効いてきます。

クレディセゾンがROI 954%を達成した背景

クレジットカード・信販大手のクレディセゾンは、ChatGPT Enterpriseを社内に展開し、半年弱で社員の業務削減時間が累計11万時間に達しました。試験導入のROIは954%と発表されており、2027年末には300万時間削減を目指しています。

金融・財務部門でAI効果が出やすい理由は明確です。数値データを扱うため、成果を数字で検証しやすい。「どれだけ時間が減ったか」が見えるため、社内での導入判断も進めやすい。横浜銀行が法務・経理書類の処理時間を月8時間削減したのも、同じ構造です。

Personal Finance機能は個人口座向けの機能ですが、月次データを確認・分析するというフローは財務担当者の日常業務と重なります。まず個人口座で機能を体感してみると、社内業務への応用イメージが掴みやすくなります。

使い始める前に確認しておくこと

現時点では個人の銀行口座を対象とした機能です。法人口座への対応は金融機関ごとに異なるため、業務利用の前に確認が必要です。また、口座データを外部サービスと連携させる仕組みのため、社内のセキュリティポリシーとの整合を事前に取ることが前提になります。

まず担当者が個人口座で試し、業務への組み込み方を検討するという進め方が現実的です。財務・経理の仕事で「この確認作業、もう少し早くできれば」と感じる場面は少なくありません。その入口として、試してみる価値はあります。

ドリップドリップ(執筆)

月末の集計作業、毎月お疲れさまです。

クレディセゾンのROI 954%という数字を見て、財務部門ってAI効果が可視化しやすい分野なんだと改めて感じました。数字で仕事している分、成果も数字で出てくる。

まず個人口座でさわってみるのが一番の近道です。ぜひ試してみてください。

コピペで使えるプロンプト集

① 月次支出をChatGPTにサマリーさせる

月次経費レポート作成前の集計確認

あなたは経理業務の専門家です。以下の【当月支出データ】と【先月支出データ】を比較し、増減が目立つ科目をピックアップした月次サマリーを日本語で作成してください。注目すべき変化には理由の仮説を1〜2文で添えてください。出力は①科目別金額・増減率(箇条書き)②総評コメント(3文以内)の形式でお願いします。

【当月支出データ】
(ここにデータを貼り付けてください)

【先月支出データ】
(ここに先月分を貼り付けてください)
経理・財務レポート・報告

② 予算消化率をChatGPTに確認させる

月中・稟議前の予算対実績チェック

あなたは財務アドバイザーです。以下の【予算データ】と【実績データ】を分析し、消化率が高いまたは低い科目を整理してください。予算超過リスクがある項目には「要注意」フラグを付け、対処コメントを1〜2文で添えてください。出力形式:科目・予算額・実績額・消化率・コメントを表形式で。

【予算データ(〇月分)】
(ここに予算を貼り付けてください)

【実績データ(〇月分)】
(ここに実績を貼り付けてください)
経理・財務調査・分析

③ 支出の異常値をChatGPTに早期発見させる

月中の支出モニタリング・異常検知

あなたは財務管理の専門家です。以下の直近3ヶ月の支出データを比較し、通常と異なる増減が目立つ費目を特定してください。変動が大きい項目には理由の仮説と、次に確認すべきアクションを1件ずつ示してください。出力形式:費目名・3ヶ月の金額推移・変動コメント・確認アクション。

【直近3ヶ月の支出データ】
(ここに3ヶ月分のデータを貼り付けてください)
経理・財務業務効率化・自動化