PowerPointでのCopilot、まず何ができるのか

Microsoft 365 Copilotを使うと、PowerPoint上でチャット形式の指示だけでスライドを自動生成できます。2023年に企業向けで展開が始まり、2026年現在はWord・Excel・Teamsなど主要アプリに統合されています。PowerPointでは「スライドの自動生成」「文章の改善・要約」「デザイン提案」の3つが主な使い道です。

利用にはMicrosoft 365 Business StandardまたはBusiness Premiumへの加入が必要で、2026年4月時点の日本価格はBusiness Standardが月額2,180円、Copilotアドオンが月額4,497円(いずれも1ユーザー)です。

プレゼン資料の作成に平均3〜5時間かかっているというデータがあります(Microsoft Work Trend Index 2024)。Copilotを使えば同等の資料をその10分の1程度の時間で用意できるケースが増えていて、「急に資料を頼まれた」「毎回ゼロから考えるのがつらい」という場面でこそ力を発揮します。

自動生成・文章改善・デザイン提案の使い分け

PowerPointを開いた状態でCopilotパネルを起動し、指示を入力するだけでスライドが生成されます。たとえば「新入社員向けのセキュリティ研修資料を8枚のスライドで作成してください。各スライドには箇条書きで3つのポイントを入れてください」と送ると、研修の目的・パスワード管理・フィッシング詐欺対策・インシデント報告手順・まとめといった構成が自動で組まれます。

WordやPDFをアップロードして「このファイルの内容をもとにプレゼンを作って」という使い方もできます。会議議事録や企画書をそのまま渡すだけで要点を抽出してスライドにしてくれるため、社内資料のリサイクルが格段に楽になります。

すでに作成済みのスライドに対しては「この本文を箇条書き3点に絞って」「もっとシンプルな言い回しにして」と指示することで文章を書き換えてくれます。200文字のテキストブロックを「30文字以内の箇条書き3点にまとめて」と送ると、聴衆が読みやすい分量に整形されます。デザイン面ではSmartArtや図解の挿入も言葉で依頼でき、「この3つのステップを矢印でつながったフロー図で表現して」と入力するとSmartArtを使ったフロー図が自動挿入されます。

10分でスライドを完成させる手順

PowerPointを起動してリボンの「Copilot」ボタンをクリックすると、画面右側にチャットパネルが開きます。ボタンが見当たらない場合はCopilotアドオンが有効化されているか確認が必要です。新規ファイルを開いた直後なら、スライドが1枚もない状態でもパネルから生成を始められます。

プロンプトを入力する際には「テーマ・対象者・枚数・構成の指定・含めてほしい要素」の5点を盛り込むと精度が上がります。たとえばこういう形です。

「社内の経費精算システム刷新について、経営層向けの提案資料を10枚で作成してください。課題・解決策・コスト・導入スケジュール・期待効果の順で構成し、各スライドには箇条書き3点を入れてください。」

送信から20〜40秒でスライド一式が生成されます。生成後は「3枚目の内容をもっと具体的にして」「スライドの順番を変えて」と追加指示を重ねることで修正できます。

完成したら「このプレゼン全体で論理の流れに問題がないか確認して」とフィードバックを求め、個別スライドは対象を選択した状態で「タイトルをインパクトのある表現にして」「具体的な数字を使った表現に変えて」と指示します。デザインは社内のPowerPointテンプレートを「デザイン→テーマ」から事前に適用しておくと、生成されたスライドもそのスタイルに沿った仕上がりになります。

営業・人事・マーケターの実務での使われ方

製造業の営業担当者が顧客との商談メモをCopilotに渡し、「製造ライン効率化の提案書を12枚で作成して。課題・提案内容・導入事例・費用・スケジュールの順で」と指示する使い方があります。生成後に自社製品の仕様や価格を手動で追記すれば完成で、1件あたり3〜4時間かかっていた作業が30〜40分に縮まっています。

人事担当者が新入社員向け研修資料を毎年更新する作業では、各テーマの内容をWordで箇条書きにしたものをCopilotに貼り付けて「研修スライド形式に変換して。各スライドに演習問題を1問追加して」と指示することで、8テーマ分の更新が丸2日から半日になったケースがあります。

月次の経営会議向けKPI報告資料をExcelデータとWordメモから作成するマーケターの事例では、「経営層向けの月次マーケティングレポートを8枚で作成して。数字は具体的に入れて、重要指標は強調表示にして」と指示するだけで売上・CVR・広告費・ROIが整理されたスライドが生成されています。数値の最終確認は人間が行いつつ、作業時間が週2時間から30分以下になっています。

使う前に知っておきたい落とし穴

プロンプトが曖昧だと的外れなスライドが生成されます。「プレゼンを作って」だけでは何も伝わらないため、最初から詳細な指示を出すほど修正回数が減ります。

生成された数字や統計をそのまま使うのは危険です。Copilotは存在しない数値や古い情報を出力することがあり、社外向け資料でそのまま使うと信頼性の問題になります。市場規模や調査データは一次情報で確認して上書きする習慣をつけておくのが無難です。

機密情報や個人情報をプロンプトに貼り付ける前に、社内のAI利用ポリシーを確認してください。Microsoft 365 Copilotは法人向けでは入力データをAIのトレーニングに使用しないとMicrosoftが明示していますが、社内規定との整合性は別の話です。顧客名・個人情報・未公開財務データは仮称に置き換えてから使用するのが安全です。

以下に機能・注意点を簡単にまとめます。

機能 主な使い方 注意点
スライド自動生成 テーマ・枚数・構成を指定して生成 プロンプトは5点明記が基本
文章改善・要約 既存スライドの圧縮・言い換え 生成後は人間がレビューする
デザインアシスト レイアウト案・SmartArt挿入 社内テンプレートを先に適用する
ファイルベース生成 WordやPDFを渡してスライド化 機密情報は仮称に置き換える
フィードバック取得 構成・論理の確認 数値・固有名詞は一次情報で確認

まずは社内でよく使う資料テンプレートを1つ選んで、今日中にCopilotで生成してみてください。最初の1枚を作ることが、業務効率化への一番大きな一歩になります。

AI編集部コメント

ドリップドリップ(執筆)

「急に資料を頼まれた」という経験、ビジネスパーソンなら一度はあるはずです。そういう場面でこそCopilotが頼りになるというのは、読んでいてすごく納得感がありました。

個人的に面白いと思ったのは「プロンプトに5点を盛り込む」というポイントです!ここを意識するだけで生成の質がかなり変わるので、最初に覚えておくだけで挫折が減ると思います。

数値の確認や機密情報への注意など、使いこなすほど気を配ることも増えますが、まず1枚作ってみるというスタンスで始めると自然と慣れていきます。

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