OpenAIが数式インタラクティブモジュールをChatGPTに追加したことで、財務モデルや技術計算をチャット画面上でリアルタイムに操作できるようになった。2026年7月3日に発表された機能で、数学・理科にまたがる70以上のテーマが全ユーザーに展開されている。

変数をドラッグして動かす計算インターフェース

これまでのChatGPTは数値を入れて計算結果をテキストで返すだけだった。今回追加されたモジュールは動く。「複利計算のインタラクティブビジュアルを出して」と入力すると、元本・利率・期間のスライダーが画面に現れ、動かすたびにグラフがリアルタイムで変化する。NPV・IRRの財務計算、正規分布、フーリエ変換、流体の速度場といったテーマも同様の形式で生成される。

対応テーマは数学(微積分・線形代数・確率・統計)から物理・化学・財務数学まで70以上。専門的な公式をユーザーが入力する必要はない。「感度分析の計算モジュールを出して」と話しかければ、対応するインタラクティブモジュールが生成される仕組みだ。

財務担当者がExcelを開かずに済む場面

投資回収期間の試算、シナリオ比較、キャッシュフローモデルの概算確認。こういった作業でExcelのシートを都度開いて調整していた手間が、チャット内で完結する。モジュールは数値をその場で変えられるため、上司から「利率を1%上げたらどうなる?」と聞かれても、シートを開き直さずに画面を動かしてその場で見せられる。

すでにChatGPTはスプレッドシートのサイドバーで動くようになっているが、インタラクティブモジュールはデータを持ち込まなくてもモデルの構造を素早く確認したいときに使いやすい。財務の「当たり感」を掴むための下計算に向いている。

理工系では計算チェックと説明の合わせ技

エンジニアや設計担当者にとっての使い方は少し違う。回路の抵抗値を変えたときの電圧変化、熱伝導の解析、流体力学の基礎的な数値確認などが、文章で質問するだけで動くビジュアルになる。計算の確認と結果の見当付けが同時にできる点が実用的で、若手への説明や社内勉強会の資料として使う例も出てきている。完成した数値を求めるというより、「この条件を変えたらどのくらい変わるか」を素早く掴む場面で力を発揮する。

AIが「答えを返す」から「一緒に考える」ツールへ

テキストで答えを返すだけのAIから、数値を触りながら思考できるインターフェースへ。この変化はAIを検索の延長として使っていた層には見えにくいが、計算・分析・設計を日常的に扱う人には実務のやり方を変えるインパクトがある。財務や理工系を超えて、統計を扱うマーケターやデータ担当者への広がりも期待される機能だ。

ドリップドリップ(執筆)

財務の計算をチャットで「動かす」って、最初は半信半疑でした。

でも実際に試すと、「利率をここだけ変えたら?」という細かい確認がExcelを開かずできてしまう。理工系の方にとっても、計算結果を見ながらその場で条件を変えられるのは地味に便利です。

難しい理論はあとでいい。まず触ってみると、変わるものがあります。

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