バナー制作の依頼メールを送ってから、素材が届くまで3営業日。文言を1行変えたいだけでも、また3日待つ。キャンペーンの開始日が迫っているのに、バナーの最終確認がまだ終わっていない。こういう経験は、コンテンツ担当なら一度は通る道だ。
2026年7月にMicrosoftが公開したMAI-Image-2.5-Proは、日本語テキストを正確に画像に描き込み、自然言語の追記だけで細部を調整できる画像生成モデルだ。BingイメージクリエイターやPowerPoint、OneDriveにすでに組み込まれている。このモデルが実用レベルに達したことで、バナー制作を自社で完結させる選択肢が現実的になった。
MAI-Image-2.5-Proがバナー制作に向いている理由
従来の画像生成AIは日本語テキストの描画が弱かった。「SALE」とプロンプトに書いても崩れた文字が出てくることが多く、広告用途では使いにくかった。MAI-Image-2.5-Proはこの点を改善し、テキストの正確なレンダリングを強みとして持つ。
さらに生成後の画像に対して「テキストをもう少し大きくして」「背景を少し明るくして」と追記するだけで更新される。プロンプトを最初から書き直さなくていい。この自然言語での編集機能が、外注との何度もの往復を省く。
バナー内製化の3ステップ
まずやることは、ブランドの制約をプロンプトに言語化することだ。使用カラー、掲載テキスト、サイズ比の3点を明示するだけで十分。「白背景、アクセントカラーはオレンジ、テキストは『夏のSALE』、16:9横長」程度のシンプルな文章でいい。慣れれば5分もかからない。
次に、同じプロンプトで複数のバリエーションを生成する。この段階で完成を求めない。「方向性が合っているか」だけを確かめる工程だ。気に入ったものが出たら、そこから自然言語で細部を調整していく。「テキストをもう少し右に寄せて」「青みを落として」と追記するだけで画像が更新される。デザインソフトは不要だ。
慣れれば1〜2時間で1本のバナーが仕上がる。A/Bテスト用に3パターン作っても、その日のうちに終わる。
内製化を進めると何が変わるか
デジタルマーケティングを手がけるグラシズ株式会社は、生成AIを使ってLP制作を完全内製化した結果、制作時間を3営業日から2時間へと93%短縮し、月額10万円の外注費をゼロにした。バナー制作でも同じ構造で置き換えが可能だ。
外注が必要なのは、ブランドの言語化が難しい場合か、高度な独自性が求められる場面に限られる。それ以外の定型的な広告バナーであれば、MAI-Image-2.5-Proで十分対応できる。バナー制作だけでなく、情報収集にもAIを使い始めたコンテンツ担当と同様に、仕事全体のスピードが変わっていく。
バナー外注のために止まっていた施策スピードが、そのままコンテンツ担当が動ける速さになる。
コピペで使えるプロンプト集
① 広告バナー用の画像プロンプトを生成する
商品・キャンペーンの広告バナーをBingイメージクリエイター(MAI-Image)で制作したいとき
あなたはブランドのクリエイティブディレクターです。以下の条件をもとに、Bingイメージクリエイター(MAI-Image)で使える広告バナー用の英語プロンプトを作成してください。製品・サービス名:【製品名】、ターゲット:【例: 30代女性・美容好き】、キャンペーンメッセージ:【例: 夏のSALE最大50%OFF】、掲載テキスト:【テキスト全文を日本語で】、使用カラー:【例: 白背景・赤アクセント】、バナーサイズ:【例: 16:9横長】。プロンプトは150ワード程度、no people, no humansを明示し、日本語テキストを正確に描き込む指示も含めてください。
② 生成したバナーに修正指示を出す
AI生成の広告バナーを細部だけ微調整したいとき
以下の広告バナー画像について、修正内容を英語のedit指示に変換してください。変更したい内容:【例: テキストをもう少し大きく、右端に寄せる】【例: 背景の青みを落として白に近づける】【例: テキストを太字にして視認性を上げる】。MAI-Image(Bingイメージクリエイター)のimage-to-image機能で使える形式にしてください。元の画像のトーンを壊さないよう最小限の変更を意識した指示にして、修正後のプロンプトは1〜2文の英語でまとめてください。
③ A/Bテスト用バナーのバリエーションを展開する
同じキャンペーンで複数バナーを比較テストしたいとき
以下の広告バナープロンプトをベースに、A/Bテスト用のバリエーションを3パターン作成してください。ベースプロンプト:【既存の英語プロンプトを貼り付け】。変えてほしい要素:【例: 背景カラー(白/青/黒)】【例: テキストの配置(中央/左上/下部)】【例: スタイル(写実/フラット/アイソメトリック)】。各バリエーションはベースの意図を保ちながら1〜2要素だけ変えてください。出力形式は「バリエーションA:…、バリエーションB:…、バリエーションC:…」としてください。
バナー1枚の修正に3日待った経験、思い当たる方は多いはずです。
MAI-Image-2.5-Proの日本語テキスト描画が実用レベルになったのは、地味ながら大きな変化。「文字が崩れる問題」がなくなると、広告バナーの内製化が一気に現実的になります。
BingイメージクリエイターはMicrosoftアカウントがあれば今日から試せます。まずそこから始めてみてください。