文章作業で時間が溶けていく理由
取引先へのお詫びメールを30分かけて書き、次は提案書の序文で詰まり、気づいたら夕方——そんな1日を繰り返している人は少なくないはずです。
問題は「文章を書くのが遅い」ことではありません。ゼロから考えながら書いている、という構造そのものにあります。ChatGPTを使っている人でも、「チェックツール」として止まっているケースが多いです。下書きは自分で書いて、最後に「おかしくないか確認して」と投げる。それでは削れる時間が小さすぎます。
ChatGPTに初稿を書かせる
逆転の発想は「初稿を自分で書かない」です。
お詫びメールなら、ChatGPTへの入力はこれだけで十分です。「納期が2日遅れた。原因は社内確認の遅延。取引先は中堅メーカーの購買担当。丁寧だが簡潔なお詫びメールを書いて」——出てきたドラフトを、事実確認と署名だけ直して送る。自分が書くのは状況の箇条書きだけです。
ポイントは、相手の立場・トーン・目的の3つを入力に含めることです。この3つを省くと、どこか的外れな文章が出てきます。
提案書は段階を分けて進める
提案書の場合は、少し段階を分けます。まず「目次だけ出して」と依頼し、構成を先に確認します。全体の流れに納得できたら、セクションごとに「ここを300字で書いて」と進める。一気に全文を生成させると、修正コストがかえって増えます。
会議メモの清書は、録音の文字起こしをそのまま貼り付けて「決定事項・ToDoの担当者・期日を整理して」と指示するだけです。Slackの長いスレッドも同様で、「3行で要点をまとめて」と入れれば返信前の確認が一気に楽になります。
削れるのは作業時間ではなく消耗
この流れを習慣にすると、1日の変化は「書く時間」ではなく「考える時間の使い方」に出てきます。メールの文面に悩む時間がなくなる分、「この提案、本当に今出すべきか」という判断に集中できます。AIが削っているのは作業時間ではなく、判断と関係ない消耗です。
使い始めの最初の一歩は、今日の返信メール1通をChatGPTに任せてみることです。うまく使おうと構えるより、1回試して感覚をつかむほうが早いです。
今日から使えるプロンプトのパターンをまとめた資料も用意しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
コピペで使えるプロンプト集
① クレーム・依頼メールへの丁寧な返信文を60秒で作成
営業・CS担当者が顧客からのクレームや複雑な依頼メールに対して、適切なトーンで素早く返信したい時
あなたはビジネス文書作成のプロです。以下の受信メールに対する返信文を作成してください。【受信メール内容:例「納期が遅れており非常に困っています。至急対応をお願いします」】【自社の状況・伝えたい内容:例「物流遅延が原因で、3日後に出荷予定」】まず謝罪→原因説明→対応策→再発防止の順で構成し、件名と本文をセットで出力してください。文体は丁寧かつ誠実なビジネス敬語、本文200文字以内で簡潔にまとめてください。読んだ顧客が「誠意ある対応だ」と感じる最高の返信文を期待しています。
② 提案書の骨格を5分でゼロから構成
営業・PMが新規提案書を作成する際、白紙から構成を考える時間を削減したい時
あなたは法人営業提案書の設計に精通したコンサルタントです。以下の情報をもとに提案書の構成案を作成してください。【提案先:例 中堅製造業の経営企画部門】【提案内容:例 業務自動化ツールの導入支援】【解決したい課題:例 月次レポート作成に週10時間かかっている】まずヒアリング内容を課題・理想・ギャップに整理し、次に「①現状課題 ②解決策 ③導入効果 ④スケジュール ⑤費用・ROI」の5章構成で各章のサブポイントを箇条書き3点ずつ出力してください。担当者がそのままスライドに落とせる構成を期待しています。
③ スライド用エグゼクティブサマリーを3行に圧縮
マーケ・企画担当者が長文の報告資料を、経営層向けスライドの冒頭1枚に要約したい時
あなたはマッキンゼー流のエグゼクティブコミュニケーションに精通したプロです。以下の資料をCxO向けスライドの冒頭サマリーに変換してください。【要約元の資料・長文テキスト:ここに貼り付け】まず資料全体の主張・根拠・アクションを抽出し、次に「①結論(30文字以内)②根拠3点(各20文字以内の箇条書き)③推奨アクション(20文字以内)」の形式で出力してください。専門用語は避け、意思決定者が10秒で判断できる表現にしてください。読んだ経営層が即座に動けるサマリーを期待しています。
AI編集部コメント
「チェックだけに使っていた」という人、実はかなり多いと思います。最初から任せる発想に切り替えるだけで、体感がかなり変わるはずです。
特に「相手の立場・トーン・目的」の3点セットは、プロンプトを書くときの基準として使いやすいと感じました!メモしておくだけで毎回の入力がスムーズになります。
まずは今日の1通から試してみてください。「うまく使いこなせるか」より「1回やってみる」が近道です。