プレスリリースの下書きが終わったのは午前11時。朝9時から始めたから2時間かかった計算になる。それにクリッピングがまだ終わっていない。SNSの反応確認も残っている。こういう日が週に2、3回ある広報担当は少なくない。
ChatGPTをうまく組み込めば、この流れが変わる。プレスリリース・クリッピング・SNS分析——それぞれ単体では大した手間に見えないが、まとめると1日の業務時間の3割近くが溶けている。
プレスリリースの下書きにChatGPTを入れる3ステップ
まず、自分が伝えたいことを箇条書きでChatGPTに渡す。製品名・何が変わるか・誰向けか・いつから・なぜ今なのか、この5点だけでいい。そこに「広報向けプレスリリースの形式で、600字程度で書いてください。文末はです・ます体で」と続けると、骨格が整った下書きが数秒で返ってくる。
あとは自社のトーンに合わせて修正するだけ。1時間かかっていた作業が15〜20分になる。ポイントは「全部書かせようとしない」こと。事実は自分が持っている。構造とドラフトだけAIに出してもらうのが早い。提案書でも同じやり方が使えるが、プレスリリースはとくに媒体別に調整するときにAIの精度が上がりやすい。「読者は〔媒体名〕の記者・編集者です」と文脈を加えるだけで出力が変わる。
報道クリッピングを30分から5分に縮める
毎朝のクリッピングは、Google アラートとPerplexityの組み合わせで時間を大幅に短縮できる。Perplexityに「〔自社名・競合名・キーワード〕について今週報じられたニュースを一覧化してください。メディア名・見出し・概要の形式で」と入力すると、主要ニュースが数秒で整理される。
完全な自動化は難しいが、確認作業が30分から5分程度になる。Perplexityはソースのリンクもあわせて提示するため、原文へのアクセスもスムーズだ。毎朝これだけで25分返ってくる。
SNSモニタリングはChatGPTに要約させる
SNSの反応確認も、自分で全部スクロールしなくていい。XやInstagramの投稿データをCSVやテキストで書き出して、ChatGPTに「このデータの中でポジティブ・ネガティブ・話題になっているキーワードを整理してください」と渡すとトレンドと温度感が見えてくる。Microsoft 365 CopilotやNotion AIでも同様の要約ができる。
サイバーエージェントは2023年にAIオペレーション室を新設し、書類作成・映像制作などのオペレーション業務を60%削減した。2026年には全社展開で当初の目標を達成している。広報・制作部門がAIで定型作業を圧縮したことで、企画・クリエイティブ・対外コミュニケーションに人の時間を集中させる体制をつくっている。
AI活用が定着している企業の共通点は、「補助」として使っていることだ。プレスリリースを全部書かせるのではなく下書きだけ任せる。クリッピングを全部任せるのではなく一次整理だけ任せる。この切り分けが現実的なAI活用になる。情報整理系の業務だけで週15時間かかっていたのが、週5時間以内に収まるケースも珍しくない。
コピペで使えるプロンプト集
① プレスリリース下書きをChatGPTで生成する
プレスリリース作成
あなたは経験豊富な広報PRライターです。以下の情報をもとに、メディア向けのプレスリリース下書きを作成してください。 【製品・サービス名】〔例:新機能「XX」〕 【変わること】〔例:従来比2倍の処理速度を実現〕 【対象ユーザー】〔例:中小企業の経理担当者〕 【リリース日】〔例:2026年9月1日〕 【背景・理由】〔例:顧客からの要望が多かったため〕 形式:広報向けプレスリリース、600〜800字、です・ます体。冒頭に事実を一文で伝え、本文では数値と具体的な変化を優先してください。
② 報道クリッピングを5分で一覧化する
報道モニタリング
以下の条件で今週の報道状況を一覧化してください。 【自社・ブランド名】〔例:株式会社◯◯ / サービス名「△△」〕 【競合企業名(任意)】〔例:◯◯社・◯◯社〕 【確認したいキーワード】〔例:AI、DX、セキュリティ〕 出力形式:メディア名 / 見出し / 概要(50字以内)/ URL の表形式で。ネガティブな論調の記事がある場合は末尾に「⚠」を付けてください。件数は最大10件まで。
③ SNS投稿データをポジネガ分析する
SNSモニタリング
以下のSNS投稿データを分析してください。 【投稿データ】 〔XやInstagramのCSVまたはテキストをここに貼り付ける〕 分析してほしいこと: 1. ポジティブな投稿の割合と代表的なコメント3件 2. ネガティブな投稿の割合と主な不満の内容 3. 今週特に話題になっているキーワードTop5 4. ブランドイメージへの影響(100字以内でまとめる) 出力は箇条書きで、担当者がそのまま上司に報告できる形式にしてください。
毎朝クリッピングから1日が始まる——そのルーティン、少し変えるだけで残り時間が全然違ってきます。
「下書きだけAIに」という割り切りが、実は一番早くて精度も出る。全部任せようとすると逆に手直しが増えるんですよね。
まず今週の朝クリッピングをPerplexityに任せてみてください。思った以上に使える結果が返ってきます。