OracleがFusion Cloud向けの「AI Agent Studio for Industry Applications」を2026年10月21日に発表したことで、業種に特化したAIエージェントをノーコードで作れる環境が整いました。
従来のAI Agent Studio for Fusion Applicationsはバックオフィス業務が対象でしたが、今回の「Industry Applications」版はこれを業種別テンプレートに拡張したものです。医療・製造・小売といった業界固有のプロセスに沿ったエージェントを、自然言語プロンプトとビジュアルワークフローで設計できます。
ノーコードで業種別エージェントを作れるようになった意味
これまで企業がAIエージェントを業務に組み込もうとすると、API連携やコーディングの知識が必要でした。AI Agent Studio for Industry Applicationsでは、ノーコード・ローコード・プロコードの3つのアプローチを選べます。現場の担当者が自然言語でエージェントの挙動を定義し、ITチームを通さずに試せます。
使用できるモデルはOracle Cloud Infrastructure(OCI)のEnterprise AIから選択でき、業務の性質に応じて切り替えられます。Model Context Protocol(MCP)にも対応しており、社外サービスとの接続もプラットフォームの枠の中で管理できます。
人事・受注・在庫をまたぐ多段処理が動く
今回の目玉は、Oracle Industry ApplicationsとFusion Cloud Applications、OCIをまたいで複数エージェントを連携させる「クロスアプリケーション・オーケストレーション」です。在庫アラートを受けたエージェントが自動で受注優先度を変更し、担当者への通知まで完結させるといった多段処理を組めます。
OracleがERPにAIエージェントを組み込んだ7月の発表ではFusion Applications内の実行が中心でしたが、今回はそれを業種向けに広げています。
ガバナンス面では、データとアプリケーションへのアクセス制御、エージェント挙動のテスト機能、利用状況のモニタリングが標準で含まれます。現場に自律性を与えながらIT部門の可視性を確保できる点は、エンタープライズ向け基盤として実用的です。
可用性と価格の現状
公式発表によると、米国向けの提供開始は12か月以内が目標です。他のOCI Enterprise AIリージョンは順次拡大予定ですが、日本を含む各国での提供時期は現時点で明示されていません。
前身のAI Agent Studio for Fusion Applicationsは2025年3月のOracle CloudWorldロンドンで発表され、Fusionのカスタマー・パートナー向けに追加費用なしで提供されてきました。今回のIndustry Applications版の価格については、発表時点では開示されていません。
Oracle Fusion Cloudを利用する企業にとっては、既存の投資を活かしながら業種固有のエージェントを構築できる選択肢が加わりました。どの業務フローにエージェントを入れると効果が出るかを棚卸ししておくと、正式公開後にすぐ動けます。
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ERP系の発表って、自分には関係ないかな……と思いがちですよね。
でも今回のポイントは「ノーコード」という部分です。業務を一番知っている現場の担当者がエージェントを設計できるようになるなら、IT部門待ちだった自動化がぐっと身近になります。
Oracle Fusionを使っていなくても、エンタープライズAIの方向感を読む参考になるはずです。