競合他社の決算数値をひとつずつ拾って、Excelに転記して、グラフを作る。これを四半期ごとにやっている経営企画の担当者は、思っているより多い。その作業だけで半日が消える。業績シミュレーションも、株主向けの説明資料も、似たような「転記と整形」が毎月積み上がっている。月に換算すると、20時間近くが定型作業に取られているという担当者も珍しくない。Cursorのエージェントモードを使うと、この手順の多くを自動化できる。

エージェントモードで「データから表まで」を一気通貫にする

CursorはAI機能を強化したコードエディタだが、エージェントモードを使うと、データ読み込み・分析・アウトプット生成を連続して実行できる。プログラミングの知識は要らない。「この4社の売上と営業利益を比較して、前年差を含めた一覧表にまとめてください」と日本語で指示すると、渡したCSVやExcelを読み込んでPythonスクリプトを書き、結果を表として出力するまでをひとりでこなす。業績予測も同様で、「過去5期のデータから来期売上を予測して、楽観・基本・保守の3シナリオで出してください」という指示で動く。複数の工程を「一度に頼む」ことが、時間短縮のポイントだ。人間は出力を確認して、本資料に転記するだけでいい。

株主資料の下書きを出させる手順

IR資料や業績説明文の初稿も同じ流れで作れる。業績データと過去の資料(PDFやWordも可)をCursorのワークスペースに置き、「今期の業績データをもとに、増収の主因を3点で説明する文章を書いてください。昨期の文体を参考に」と伝える。1〜2分で下書きが出る。数字の確認は人間がやる必要があるが、白紙から書く工数はなくなる。月次報告書の集計にAIを活用している経営企画の事例と合わせて読むと、どこから始めるかイメージが湧きやすい。

京都銀行が稟議書AIで得た成果

日本の金融機関では、類似の取り組みがすでに成果を出している。京都銀行(The Bank of Kyoto)は融資の稟議書作成にAIを導入し、審査役評価における合格ライン到達率が約30%から約95%に改善した。最大で年間11,700時間の業務削減効果も見込まれている(NTTデータ発表)。文書を人が磨く前に、AIが基準を満たした形で出すことで、修正ループが大幅に減った。経営企画の競合分析資料や株主説明文にも、同じ発想が使える。

競合分析・業績予測・株主資料のどれから始めるかは、今自分が一番時間を取られている作業で選べばいい。月20時間の削減は、定型作業を順番にエージェントへ移すことで現実的になる。

経営企画の資料って、作るたびに「また同じ作業してる」って感じますよね。

Cursorのエージェントモード、使ってみると「日本語で雑に頼んでいい」というのが意外な発見でした。完璧な指示じゃなくても、ちゃんと形にしてくれます。

まず競合分析の1本から試してみてください。

コピペで使えるプロンプト集

① 競合4社の業績比較表を生成するプロンプト

四半期ごとの競合他社業績比較作業

あなたは経営企画アナリストです。以下のCSVデータをもとに、【A社・B社・C社・D社】の売上高・営業利益・営業利益率・前年比を一覧表にまとめてください。【対象期間:直近5期】。表の後に「競合比較の特筆事項」を3点で箇条書きにしてください。データに欠損がある場合は「N/A」と記載してください。出力形式:Markdownの表→箇条書きの順でお願いします。
経営企画競合分析

② 業績説明の投資家向け文章を作るプロンプト

四半期決算後の株主・IR資料の初稿作成

あなたは上場企業の経営企画担当者です。以下の業績データと【昨年の説明資料の文体】を参考に、今期の業績ハイライトを投資家向けに説明する文章(300文字程度)を作成してください。増収要因・減益要因をそれぞれ1〜2文で説明し、最後に来期の見通しを1段落で加えてください。トーンは「誠実・前向き・具体的」でお願いします。【業績データ:売上高◯億円(前年比◯%)、営業利益◯億円(前年比◯%)】
経営企画IR・株主対応

③ 来期業績の3シナリオ予測を依頼するプロンプト

年度計画・中期経営計画の策定作業

あなたはデータアナリストです。以下の過去データと外部環境情報をもとに、来期の売上予測を楽観・基本・保守の3シナリオで算出してください。各シナリオの前提条件と、感度が高い変数を3つ挙げてください。【過去データ:【期間】の四半期売上(万円単位)を記入】【外部環境:市場成長率【◯%】、主要競合の動向【記入】】。出力はシナリオごとに「金額・前年比・前提」の形でお願いします。
経営企画業績予測