Googleが7月のリリースを正式に承認したGemini 3.5 Proは、200万トークンのコンテキストウィンドウとDeep Thinkモードを搭載し、これまで「量が多すぎる」と切り分けていた大量文書の一括処理を現実にします。

ビジネス書8冊分を一度に投げる、200万トークンの実感

200万トークンは約150万語に相当します。ビジネス書5〜8冊分のテキストを、一度の会話に全部放り込める計算です。

これまでAIに文書を読ませるには、ファイルを分割して何度も貼り付けるか、事前に要約を挟むかしかありませんでした。文脈が途切れ、「全体を踏まえた判断」が難しい。Gemini 3.5 Proはその制約をほぼ取り除きます。

たとえば100ページを超える契約書や社内規程をそのまま貼り付けて「変更点を洗い出して」と頼める。過去1年分の会議議事録を丸ごと渡して「この意思決定の経緯を整理して」と投げられる。複数部署にまたがる資料を束にして横断的な分析を頼むこともできます。今まで「AIには読ませきれない」と諦めていた情報が、そのまま使えるようになります。

Deep Thinkは「即答させない」推論モード

Deep Thinkは、Googleが導入する推論強化オプションです。モデルが即答せず、ステップを踏んで自分の答えを確認してから回答する仕組みで、通常モードより時間はかかりますが誤答率が下がります。

法律の条文解釈、財務計算の確認、長文ドキュメントの矛盾チェックなど「間違えてほしくない」場面での活用が想定されています。ただし現時点では月額250ドルのUltraプランに限定されており、API経由でもトークン単価は通常の10倍。日常業務への導入は費用対効果を見きわめながらになります。すでにGemini 3のDeep Thinkが実務で使われている実績があり、3.5 Proへのアップグレードは自然な流れと見られています。

「全部まとめて渡す」が新しい普通になる

今後のAI活用で変わるのは「どこまで渡せるか」の感覚です。文書を細かく切り分けて管理する必要が減り、そのまま全量を投げて判断させるやり方が標準になってきます。コンテキストの上限を気にしながら資料を選ぶ、あの選択作業がなくなるだけで、使い勝手はかなり変わります。「どこを見せるか」ではなく「何を聞くか」に集中できるようになる。それがAI活用の次のフェーズです。

Gemini 3.5 Proの一般公開は7月を予定。試せる環境ができたら、手元の一番重たい資料を丸ごと渡してみるのが一番早い確認になります。

ドリップドリップ(執筆)

100ページの資料をそのままAIに投げられる、というのは実際に試してみると感覚がかなり変わります。

「どこまで渡せるか」の限界が上がるたびに、AIとの向き合い方も変わってきているな、と感じています。

7月に公開されたら、まず一番重たいファイルを丸ごと渡してみてください。

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