GoogleがGoogle Workspace管理コンソールへのAI制御機能を2026年を通じて段階的に強化し、GeminiをはじめとするAIツールを部署・グループ単位でオン/オフできる仕組みが整った。今年5月には「AI制御センター」として一元管理画面が整備され、Workspace全体のAI利用状況をひとつのビューで確認・制御できるようになっている。
部署・グループ単位でAIの利用を制限できるようになった
設定は管理コンソールの「生成AI → Gemini for Workspace」から行う。適用先を「組織部門(OU)」または「設定グループ」に絞ることができ、グループ設定はOUの設定より優先される仕組みだ。これにより「営業チームはGemini有効、財務部門はGemini無効」といった異なるポリシーを同一組織内に共存させられる。
2026年4月から提供が始まったWorkspace Intelligenceでは、AIがGmail・Drive・Calendarなどのデータソースを横断して検索する機能を、ドメイン全体・OU・グループ単位で制限できる。特定のデータソースを無効にしても、ユーザーがプロンプトの中でファイルを明示した場合はその内容が参照されるという点は把握しておきたい。設定の詳細はGoogleのWorkspace Intelligence制御ヘルプページに記載されている。
会話ログの保存・削除ポリシーもグループ別に設定可能に
2026年6月の更新では、GeminiとのチャットをVaultで保持しない「一時チャット」の有効/無効も、ドメイン・OU・グループ単位で管理できるようになった。コンプライアンス要件の厳しい部門にはVault保存を強制し、それ以外の部門には一時チャットを許可する使い分けが実現する。同年9月にはGemini EnterpriseにContext-Aware Accessが対応し、場所・デバイス状態・ユーザーグループに応じたアクセス制御まで設定できるようになっている。
AI導入を段階的に進める「ロールアウト型」が現実的になった
これまでGoogle WorkspaceのAI機能はドメイン全体でのオン/オフしかできず、一部の部門だけに段階導入することが難しかった。今回の一連のアップデートでOU・グループ単位の制御が揃ったことで、AIリテラシーの高い部門から先行導入し、徐々に全社展開する「ロールアウト型」の普及戦略が取りやすくなった。
シャドーAI対策という観点でも意味は大きい。Googleが標準提供するGeminiを公式に特定部門へ開放しながら、アクセスログをVaultで保全できる。管理者がAIの利用実態を把握しつつ情報漏えいリスクをコントロールする手段が、ようやく実用的な粒度で揃ってきた形だ。社内のAI利用ガイドラインと組み合わせることで、WorkspaceのOU・グループ設定は初めて実効性を持つ。
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「全社員に開放か、全員禁止か」という二択しかなかったのは、ずっとモヤっとしていました。
部署ごとにリスクもリテラシーも違うのに、設定が一律では現場の実態に合わせられない。今回の更新でやっとその悩みに答えが出てきた感じがします。
まずは管理コンソールの「生成AI」メニューを一度のぞいてみてください。想定より細かく設定できることに驚くはずです。