「この経費申請書類、どこに保管してましたっけ」「会議室のプロジェクターが使えなくなったんですが」「年末調整の提出先を教えてください」。総務・バックオフィス担当は、1日にこういった問い合わせを何十件も処理している。
問い合わせに答えながら、設備点検の記録をつけ、社内文書の更新依頼も処理する。問い合わせの大半は同じ質問の繰り返しだ。答えは社内のどこかに必ず存在する。ただ、その答えを探すのに時間がかかりすぎる。30人規模の会社でも、問い合わせ対応だけで週に5〜10時間が消えることは珍しくない。
なぜ同じ質問が毎回来るのか
答えが「見つからない」からだ。社内規程は別々のフォルダに散らばり、申請フォームのURLはメールの奥底に埋もれている。「どこにあるかわからないから、知っている人に聞く」という習慣が、問い合わせのループを生んでいる。
Notion AIで整理するには、まず「情報を一か所に集める」ことから始める。社内規程、申請フォームのリンク、設備の連絡先、よくある質問——これらをNotionの1つのデータベースに集約する。ページのテンプレートを先に設計しておけば、担当者が変わっても同じ場所に同じ形式で入力できる。この段階でNotionのAI機能はまだ使わない。「情報がある状態」を作ることが最初のステップだ。
AIが問い合わせに自動で答えるようにする
情報が集まったら、Notion AIの機能を本格的に活用する。蓄積したドキュメントに対してAIが参照・回答できる状態になると、「有給申請の期限は?」「コピー機のトナー交換の担当は?」という質問に、関連ページを引用しながら回答が返ってくる。総務担当者がその都度メールを返す必要がなくなる。
ユニ・チャームは社内AIチャット(BrainPad製RAGシステム)を法務部門に導入し、ルーティン問い合わせを97%削減した(参考:EnterpriseZine)。「専門家でないと答えられない」と思われていた質問の多くは、規程集が整備されていればAIで十分答えられる内容だった。法務担当のAI活用と同じ発想が、総務の問い合わせ対応にもそのまま使える。
設備管理と文書整理をNotionで回す
ステップ3は設備管理の記録化だ。「コピー機のトナーは先週交換済み」「プロジェクター2台のうち1台は経理部に貸出中」——こういった情報をNotionのデータベースで管理し、タイムスタンプ付きで状態を記録する。月次の設備管理レポートはNotion AIに下書きを依頼すれば、従来2時間かかっていた作業が15分程度で終わる。
文書整理も同じNotionの中で完結する。議事録、社内ポリシー、よく更新される規程類——これらをデータベースで管理すれば、タグと検索でどこからでも引き出せる。「あの書類どこだっけ」という問い合わせ自体がなくなる。
最初から全部やろうとすると必ず止まる。「問い合わせが多い上位10個の質問」だけをNotionに入力するところから始める。それが使われ始めたら設備管理の記録を足す。文書整理は後からついてくる。小さく始めて、使われながら育てる——それが定着する唯一の道だ。
コピペで使えるプロンプト集
① 社内FAQページをNotionで整理するプロンプト
同じ問い合わせが毎日来る総務担当が、よくある質問をNotion AIを使って一覧化する場面
あなたは【会社名】の総務担当者です。社内から毎日同じような問い合わせが来ています。 以下の情報をもとに、Notionに貼り付けて使えるFAQページの内容を作成してください。 # 対象カテゴリ 【経費申請 / 有給申請 / 設備利用 / 社内規程 / その他(具体的に)】 # よくある質問例 【実際によく来る質問を3〜5個書いてください】 # 出力形式 各質問について: 1. 質問タイトル(短く・検索しやすい表現で) 2. 回答(3〜4文。平易な言葉で) 3. 関連リンクや書類名(あれば) 担当者が変わっても伝わる言葉で、簡潔に作成してください。
② 社内問い合わせへの回答テンプレートを作るプロンプト
同じ内容の問い合わせに毎回ゼロから返信している担当者が、再利用できるテンプレートを作る場面
以下の問い合わせに対して、誰でも使い回せる回答テンプレートを作成してください。 # 問い合わせ内容 【例:有給申請の手順がわからない、という問い合わせ】 # 想定する質問者 【例:新入社員 / 中途入社者 / 他部署の社員】 # 回答に含めたい情報 【申請フォームのURL、承認フロー、提出期限など】 # 出力形式 1. 件名(チャット・メールで使える短い表現) 2. 本文(200字以内。手順は番号付きリストで) 3. よくある追加質問と回答(2〜3個) Notionに保存してそのまま使えるようにしてください。
③ 月次設備管理レポートの下書きを作るプロンプト
月末に設備管理レポートを作成する総務担当が、Notion AIで2時間の作業を15分に短縮する場面
以下のデータをもとに、社内向け月次設備管理レポートの下書きを作成してください。 # レポート対象月 【例:2026年10月】 # 今月の設備の変化 【例: ・コピー機(3F):10/5にトナー交換済み ・プロジェクター(会議室A):10/12から経理部に貸出中(返却予定10/20) ・空調(会議室B):10/8に修理依頼、業者対応待ち など】 # 出力形式 1. サマリー(今月のポイントを3〜4文で) 2. 設備ごとの状況一覧(表形式) 3. 来月の要対応事項 他の担当者にも共有できる、簡潔な形式にしてください。
社内問い合わせって、いくら丁寧に答えても「また来るんだろうな」って思いながら返信している、そんな経験ありませんか。
答えを「どこかに出しておく」だけでこんなに変わるというのは、実際にやってみると本当にそうで、情報が集まる箱ができると自然と問い合わせが減っていくんです。
まず10個だけ。それで十分です。