仕訳の確認をClaudeに送っても「一般的には外注費か通信費が多いです」で終わる。月次レポートのコメントを頼んでも、そのまま提出できない文章が返ってくる。この「使えない」という感覚の原因は、たいてい渡す情報が少なすぎることだ。
仕訳確認で失敗するのは「何も伝えていない」から
「以下の請求書の勘定科目は何ですか?クラウドサービス利用料22,000円」という送り方では、答えが曖昧になる。自社の業種、消費税の課税方式、勘定科目の分類ポリシーが何もない状態では、Claudeは「一般的な例」しか返せない。
正しい渡し方はこうだ。「自社は中小の小売業で、消費税は原則課税です。以下の取引について、勘定科目と消費税区分の候補を出してください。取引:クラウドストレージ月額利用料(AWS Japan、22,000円税込)、用途:社内データ保管用」
3行追加しただけで、「通信費(課税仕入10%)が標準的です。IT関連費用を一元管理している場合は消耗品費も可」のように実務で使える形で返ってくる。20〜30件の請求書確認が、従来の2時間から40〜50分に短縮される。
月次レポートで失敗するのは「数字だけ送っている」から
「今月の売上:1,200万円、前月差:+5%、経費:890万円。コメントを書いてください」——これも情報が少ない。コメントの読者が誰か、何に着目してほしいか、何文字か。決まっていないとClaudeは無難な文章を返す。
指示をこう変える。「経営層(非財務の役員)向けに250字で月次コメントを書いてください。売上:1,200万円(前月比+5%、前年同月比+8%)、経費:890万円(前月比+2%)。特記事項:原価率が先月比1.2ポイント上昇、新規顧客の受注が3件あり」
この形で送ると、「売上は順調に推移」ではなく「原価率上昇の要因と次月の見通し」まで含んだ実務で使える下書きが返ってくる。1時間以上かかっていたコメント作成が15〜20分に収まる。月次報告書の作り方全体については、月次報告書の集計、もう自分でやらなくていいも参考になる。
共通する「たった1つの改善」
2つのフローに共通する改善策は同じだ。「背景情報を先に置く」こと。業種・役職・文字数・前提条件を1〜2行入れるだけで、使えない文章が使える文章に変わる。
Claudeを継続的に使うなら、この前提情報を「プロジェクト機能」に保存しておくと毎回入力する手間がなくなる。claude.ai のプロジェクト設定で「経理担当者として回答してください」「消費税は原則課税です」などを一度登録すれば、月次締めのたびに短い指示を送るだけでいい。
月次締め前の残業が減らないとしたら、AIの問題ではなく渡し方の問題だ。まず1つのフローだけ試してみると、締め3日間の動き方が変わる。
コピペで使えるプロンプト集
① 請求書の勘定科目と消費税区分の確認
月次締め前の仕訳確認作業
あなたは中小企業の経理アシスタントです。税務上の最終判断は行わず、実務でよく使われる処理例を教えてください。以下の取引について、勘定科目の候補と消費税区分を教えてください。 【自社情報:業種=例)小売業、消費税方式=原則課税】 【取引内容:例)クラウドストレージ月額利用料(AWS Japan、22,000円税込)、用途=社内データ保管用】 複数の選択肢がある場合は、それぞれの根拠と使い分けのポイントも教えてください。
② 経営層向け月次レポートコメントの下書き
月次数字の確定後、経営報告資料へのコメント追加
経営層(非財務の役員)向けに、以下の数字をもとに月次コメントを【200〜300字】で書いてください。 【売上:例)1,200万円(前月比+5%、前年同月比+8%)】 【経費:例)890万円(前月比+2%)】 【特記事項:例)原価率が先月比1.2ポイント上昇。新規顧客受注が3件あり】 結論→要因→次月の見通し、の順で書き、専門用語は最小限にしてください。箇条書きではなく文章でお願いします。
③ 月次締め前の経費精算・確認チェックリスト作成
月末締め3日前の準備タスク整理
私は【業種:例)製造業】の経理担当者です。月次締めの3日前に必ず確認すべき経費精算・仕訳確認のチェックリストを作成してください。 条件: - 確認順序は業務の流れに沿って並べる - 各項目に「確認対象」と「よくある抜け漏れ」を添える - 承認ルートや期限確認のポイントも含める - 締め日:【例)毎月25日】 - 担当者数:【例)経理2名体制】 担当者が当日見ながら動けるような実用的なリストにしてください。
月次締め前って、毎月なのになんでこんなにバタバタするんだろう、って感じますよね。
渡す情報を3行増やすだけでClaudeの答えが実務で使えるものに変わる——この感覚、一度体験すると「なぜ今まで試さなかったんだろう」ってなります。
今月の締め作業から、まず1つのフローを試してみてください。