OpenAIがChatGPT Workに「Data agent」を追加したことで、自社データに自然言語で質問するだけでBIダッシュボードが作れるようになりました。SQLを書く必要も、BIエンジニアへの依頼も要りません。

「先月の売上が落ちた原因」をSQLなしで数分以内に出す

これまでBIダッシュボードを作ったり更新したりするには、データエンジニアへの依頼か、自分でSQLクエリを書く必要がありました。Data agentは、ChatGPT Workのチャット画面から自社のデータソースに直接アクセスします。「先月の解約率が上がった理由を教えて」「今週のコスト超過が起きている部門はどこか」といった問いかけだけで、変化の原因分析とグラフ生成まで完了します。接続されたデータソースのリアルタイムの値を参照するため、昨日の数字ではなく今の状況を把握できます。

接続できるデータソースはAmazon Redshift、Google BigQuery、Snowflake、Databricks、MongoDB、ClickHouseなど主要クラウドデータベースを網羅。Power BI・Tableau・Sigma・ThoughtSpotといった既存のBIツールとも連携できます。現在のインフラをそのまま活かしながら、ChatGPT WorkでData Pluginを追加し、承認済みのデータソースを接続するだけで使い始められます。なお、エージェントに渡すアクセス権の範囲は管理者が先に決めておく必要があります(詳細: openai.com)。

ダッシュボードを「作る」のではなく「会話で育てる」

生成されたダッシュボードはその場で編集・共有・更新が可能です。「この数値を前年比で並べて」「コスト増加の内訳をもっと細かく分解して」という追加指示を同じ会話の中で続けられます。分析の方向が変わるたびにゼロからやり直す必要がなく、1回の会話で仮説検証から最終レポートまで通せます。分析担当者への依頼なしに、経営者や現場のマネージャーが自分のペースで問いを深められます。

OpenAIによると、NTT DataはアルファプログラムでData agentを活用し、営業機会の特定と人員配置の意思決定に使っています。同様に、Thermo FisherやServicePistonも支出の異常検知や顧客リスクの早期把握に活用しています。

変わるのは「待ち時間」と「担当者の役割」

Data agentが自動化するのは「何を見ればいいかわかった後の実行」です。何を問いにするか、どの数値に着目するかという判断は引き続き人間が担います。変わるのは、「データが欲しい→担当者に依頼→数日後にレポートが届く」というサイクルが、自分の画面で数分以内に答えが出る形になることです。

BIチームを持つ組織では分析担当者が反復作業から解放され、より複雑な問いへ集中できます。BIに投資してこなかった中小企業でも、データドリブンな意思決定が現実的なコストで始められます。データ分析を「頼む仕事」から「自分でやる仕事」に変える転換点です。

「BIエンジニアに頼んで3日待つ」って、ずっと当たり前だと思ってたんですよね。

でも今回の発表を読んで思ったのは、「分析が速くなった」じゃなくて「分析の民主化がついに本格的に始まった」ってことでした。リアルタイムデータに誰でも質問できるって、かなり大きな変化だと思います。

まずData Pluginをつないで、一つ質問してみる。それだけで体感できます。

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