MicrosoftがCopilot in SharePointを2026年9月30日から正式提供(GA)に移行しました。同日よりWork IQのビジネスデータ統合もプレビュー開始となり、社内ドキュメントと業務データへのAI常時接続が現実の話になっています。

SharePointの「積み上げたドキュメント」がAIの知識になる

企業のSharePointには、会議の議事録、製品マニュアル、プロジェクト報告書など大量のファイルが積み上がっています。これまでCopilotはこれらを「検索可能なファイルの集まり」として扱うことはできても、内容を理解して活用することは難しい状況でした。

今回のGA移行で変わるのは、コンテンツを自動で構造化・分類・エンリッチメントする処理が常時動くようになった点です。バラバラだったドキュメントが、カテゴリ・タグ・要約付きで整理され、AIが参照しやすい形に変換されます。この処理を適用した後にCopilotアプリの応答精度が平均17ポイント向上した、というMicrosoftの評価データがあります。「なんとなく保存してきたファイル」がそのままAIの精度を上げる素材に変わるということです。

操作は自然言語でOKです。「今期の営業プロジェクト一覧をまとめて」「この内容でSharePointページを追加して」といった指示だけで、ドキュメント生成やワークフロー実行が動きます。特別なプログラミングや追加設定は不要で、既存のSharePointサイトにそのまま適用されます。

Work IQ APIが「会社全体の業務文脈」をエージェントに渡す

同日からプレビュー開始となったWork IQのビジネスデータ統合は、AI活用をさらに一歩進める機能です。Work IQ自体は2026年6月16日にAPIがGAになっており、今回はDynamics 365やPower Platformとの連携が加わった形です。

Work IQが処理するのは、メール・カレンダー・チャット・ファイル・会議履歴・人事データ・基幹業務システムのデータです。これらを継続的に解析して「この会社がどう動いているか」のリアルタイムモデルを構築します。AIエージェントはこのモデルを通じて、単なる文書検索ではなく「この部門は今何を進めているか」「誰が担当者か」といった業務文脈を踏まえた上で応答できます。

API仕様はChat・Context・Tools・Workspacesの4ドメインで業務インテリジェンスを提供し、A2A・MCP・RESTの3プロトコルに対応しています。自社のエージェントやアプリにMicrosoft 365の業務文脈を組み込める仕組みが整ったということです。

「社内のことをわかっていないAI」から抜け出すための転換点

AIを導入したが「一般的な質問には答えるが、自社の業務については的はずれな回答が返ってくる」という状況に悩む企業は多いです。Copilot in SharePointのGAとWork IQの拡充は、その根本原因——AIが自社のデータにアクセスできていないこと——に直接対処する動きです。

今回の変更は、MicrosoftがCopilotを大改装した際に示したHome・Code・Autopilotの方向性と一直線につながっています。SharePointのコンテンツインテリジェンスとWork IQの業務文脈が揃うことで、Copilotが「指示されてから動くAI」から「業務を把握して先回りするAI」に近づきます。

ライセンス面では、日常的なAI機能はMicrosoft 365 Copilotライセンスの範囲内で動き、大規模・高度なタスクにはCopilot Creditsを消費するハイブリッドモデルになります。詳細はMicrosoft Learn: Copilot in SharePoint公式スタートガイドで確認できます。社内のSharePointの整理状態がそのままAI活用の精度に直結する——今回の発表はその関係をより明確にしました。

社内の共有フォルダって、なんとなく「とりあえず保存」の場所になっていませんか。

今回のアップデートで、その「とりあえず」が一気にAIの燃料になります。整理されていなくてもCopilotが自動で構造化してくれるなら、長年眠っていたドキュメントたちが活きてきますね。

まずは自社のSharePointに何が入っているか、見直すところから始めてみてください。

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