AIを導入したのに、議事録に1時間かかったまま——。ChatGPTやCopilotに会議メモを貼り付けてみたが、出てくるのは使えない要約ばかり。こういう総務担当者が多い。問題はAIの能力ではなく、頼み方にあります。「何をまとめてほしいか」を指定しないまま投げていることが、よくある失敗パターンです。
「そのまま貼って要約して」が失敗の入口
音声文字起こしや会議メモをそのまま渡して「要約してください」だけでは、AIは何を重要視すればいいかわかりません。全員の発言を均等に拾った薄い要約ができあがって、「使えない」で終わります。
正しい頼み方は目的から始めることです。「この会議の決定事項・担当者・期限を抽出し、ToDoリスト形式でまとめてください」とフォーマットを指定する。それだけで使える議事録が出てきます。Microsoft 365 CopilotをTeamsに連携しておけば、会議録音から自動文字起こしをして、ToDoをその場で生成できます。手作業が1工程に。
JR西日本グループが示した54%削減
JR西日本カスタマーリレーションズは、生成AIを使って電話応対後の要約・記録業務時間を最大54%削減しています。介助申込の要約では1件あたり約14.1分から6.5分に短縮。コンタクトセンターの「応対後の記録」は、総務部門の「会議後の議事録」と構造が似ています。入力するテキストとフォーマット指示を設計するだけで、ここまで削減できる実例です。
議事録以外で総務AIが使える場面
規程文書の更新では、改訂前後の差分抽出をAIに任せられます。「旧バージョンと新バージョンを比較し、変更箇所と影響範囲を箇条書きで示してください」と指示する。数十ページある就業規則や社内規程の改訂も、担当者が確認すべき箇所だけが数分で整理されます。
社内問い合わせ対応については、AIで社内問い合わせを削減する方法でも詳しく解説していますが、よくある質問の回答集をAIに読み込ませてFAQ形式にまとめさせるだけでも、対応時間を半分以下にできることが多い。
最初の1本を動かすことが先
総務の業務は幅広いぶん、「どこからAIを使えばいいか」で止まりやすい。まず議事録の1回だけ試す——フォーマットを指定して出力を確認する。それだけで何が変わるかが具体的に見えてきます。失敗パターンを知っていれば、最初の1本を無駄にしません。
コピペで使えるプロンプト集
① 会議の決定事項・ToDoを抽出する議事録プロンプト
会議後の議事録作成・決定事項の記録
あなたは社内会議の議事録作成の専門家です。 以下の会議テキスト(文字起こしまたはメモ)から、必要な情報を整理してください。 【出力フォーマット】 ■ 会議概要 - 日時:【日時】 - 参加者:【部署・氏名】 - 目的: ■ 決定事項 (番号付きで箇条書き) ■ ToDoリスト | タスク | 担当者 | 期限 | ■ 次回確認事項 【会議テキスト】 [ここに文字起こしまたは会議メモを貼り付けてください] 決定していないことや確認事項は「未決」と記載してください。発言者の意見ではなく、決まったことだけを抜き出してください。
② 規程・マニュアル改訂の変更点を洗い出すプロンプト
就業規則・社内規程の改訂作業
あなたは社内規程管理の専門家です。 旧バージョンと新バージョンの規程文書を比較し、変更点をまとめてください。 【出力フォーマット】 ■ 主な変更点(重要度高→低の順) 1. 【条文番号】:旧→新(変更内容の要約) ■ 従業員への影響が大きい変更 (周知が必要な項目を絞って記載) ■ 変更なしの主要条文 【旧バージョン】 [ここに旧規程を貼り付け] 【新バージョン】 [ここに新規程を貼り付け] 法令改正への対応が含まれる場合は、関連する法令名も明記してください。
③ 社内FAQを自動作成するプロンプト
総務・HR部門の社内問い合わせ対応効率化
あなたは社内ヘルプデスク担当の専門家です。 以下の社内問い合わせ履歴や既存の回答資料をもとに、FAQ形式の回答集を作成してください。 【出力フォーマット】 Q: 【質問文(実際に来た問い合わせの形で書く)】 A: 【簡潔な回答。手順がある場合は番号付きで記載】 関連リンク:【あれば記載】 【対象カテゴリ】:【有給休暇申請/備品発注/システム申請など】 【問い合わせ履歴・回答資料】 [ここに問い合わせのやりとりや規程・マニュアルを貼り付け] 同じ質問が複数ある場合は統合してください。社内用語はそのまま使い、読み手が追加調査なしに動けるレベルで書いてください。
議事録に1時間かけていた感覚、ほんとうによくわかります。
「そのまま貼るだけ」だとAIも困ってしまうんですよね。フォーマットを1行指定するだけで、出てくるものが全然違う——そのギャップが大きかったです。
まず1回、フォーマットを決めてから頼んでみてください。