Excelで先月の売上データを分析させたら、回答が浅かった。数字は拾っているのに、洞察がない。Wordで提案書の文章を直してもらうと、どこか教科書みたいな固い日本語になって返ってくる。そういう経験があれば、使っているモデルを変えてみる価値があります。
2026年9月末から、Microsoft 365 CopilotはAIモデルを自分で選べるようになりました。GPT-6.1 SolとClaude Sonnet 5.5が新たに加わり、WordやExcel、PowerPoint、Copilot Chatの画面から切り替えられます。同じCopilotでも、モデルが変わると出てくる結果が変わります。
ExcelにはGPT-6.1 Sol、WordにはClaude Sonnet 5.5が合いやすい
GPT-6.1 Solは、複雑な推論や多段階の計算が必要な場面に向いています。OpenAIが2026年9月にリリースしたモデルで、エージェント用途向けに設計されています。「先月から今月にかけての売上減少の原因を複数仮説で分析して」「損益シミュレーションを3パターン作って」といった使い方なら、GPT-6.1 Solのほうがステップを踏んだ分析をしてくれます。
Claude Sonnet 5.5は日本語の文章生成に強みがあります。Anthropicが開発したモデルで、議事録の整理・提案書の文章ブラッシュアップ・顧客向けメール文面の作成といった書く仕事に向いています。Wordで使う場合、最近追加されたCopilotの出典表示機能と組み合わせると、文書の根拠も確認しやすくなります。
セブン-イレブンが先に実践した「AIを使い分ける」という考え方
業務ごとにAIを使い分けるアプローチは、すでに大きな成果が出ています。セブン-イレブン・ジャパンは13種類のLLMを業務の種類に応じて使い分けられるAI基盤を全社8,000人に展開し、外部委託費84%削減・発注時間を1日35分短縮・商品企画期間を10分の1に短縮という成果を出しています。発注・商品企画・データ分析・メルマガ文章など、業務の性質に合わせてモデルを選んだことが効いています。
個人のCopilot利用でも、同じ発想で使えます。数字を扱う仕事はGPT-6.1 Sol、文章を書く仕事はClaude Sonnet 5.5と決めておくだけで、出力の質が安定します。
切り替えるときに確認すること
モデルの選択はWordやExcel上のCopilotパネル内にあるプルダウンから行います。ただし、Claude Sonnet 5.5を使うには管理者がAnthropicをサブプロセッサとして承認している必要があります。企業環境で使う場合、IT部門に確認しておくのが先です。
また、ClaudeはAzureではなくAWSで動いています。セキュリティ要件が厳しい業種では、この点の確認も必要です。使えない環境でも、GPT-6.1 Solと「自動(Auto)」モードという選択肢はあります。自分の業務に合ったモデルを一度試してみると、Copilotの印象が変わるかもしれません。
コピペで使えるプロンプト集
① Excelデータの多角分析プロンプト(GPT-6.1 Sol向け)
月次売上・財務データの分析と考察作成
あなたは【業種・部署名】の分析担当です。以下の目的でCopilot(GPT-6.1 Sol)を使ってExcelデータを分析します。 背景:【月次/週次】の【売上/コスト/在庫】データがあります。前期比で気になる動きがあります。 依頼内容: 1. 増減が大きい上位3項目を特定してください 2. それぞれの変化の原因として考えられる仮説を2〜3個挙げてください 3. 来月の着地を楽観・標準・悲観の3シナリオで予測してください 出力形式:項目ごとに見出しを付け、数値は表形式でまとめてください。
② Word提案書の日本語ブラッシュアップ(Claude Sonnet 5.5向け)
クライアント向け提案書・報告書の文章整備
あなたは【業種】の【職種名】です。以下の文章を、取引先に送っても違和感のない、読みやすい日本語に修正してください。 文章:【ここに下書きを貼る】 条件: ・文章の意味・内容は変えないでください ・ですます調で統一してください ・回りくどい表現は短くしてください ・専門用語は【そのまま残す/わかりやすく言い換える】 出力:修正後の文章のみ出力してください。変更箇所があれば末尾に変更点の一覧を添えてください。
③ 業務別AIモデル選択の判断フロー
Copilotで使うモデルを業務前に決める
あなたはCopilotの使い方を整理したいビジネスパーソンです。以下の業務に対して、GPT-6.1 SolとClaude Sonnet 5.5のどちらが適しているかを判断し、推奨モデルとその理由を教えてください。 業務内容:【例:月次の財務データをまとめて来月の着地を予測する】 判断の目安として: ・数値計算・多段階の推論が必要な場合 → GPT-6.1 Solを検討 ・自然な日本語の文章生成が必要な場合 → Claude Sonnet 5.5を検討 出力:推奨モデル名・推薦理由(2〜3行)・具体的な使い方の例(1つ)
「Copilotって、使ってみたけどいまひとつ」と感じたこと、ありませんか。
モデルを選べるようになったことで、Copilotは「おまかせ」から「業務に合わせて使い分ける道具」に変わりました。セブン-イレブンの事例のように、使い分けが大きな差を生みます。
まず一つの業務で試してみてください。きっと「これだ」という感覚があります。