採用繁忙期、書類選考の山を前に「また今日も残業か」と感じた経験はないでしょうか。応募者100人の履歴書を確認し、選考基準と照らし合わせ、一次通過者のリストを作る。これだけで半日が消えます。入社手続きの案内資料作成も、部門ごとにスキルマップを更新する作業も、HR担当者の仕事は地味にボリュームが大きい。
書類選考の一次確認はCopilotに投げる
Microsoft 365 CopilotはExcelやWordの中で直接AIに指示を出せます。応募者データをExcelに貼り付けた状態で「必須要件を満たしている候補者を絞り込み、理由とともに一覧表にして」と入力するだけで、一次スクリーニングのたたき台が出てきます。
最終判断は人が行います。ただし「全件を一通り見る」という工数がほぼゼロになる。ここが本質的な変化です。書類選考を週に1回まとめて処理している会社なら、処理時間が従来の3分の1以下になるケースも珍しくありません。
入社準備の案内資料を10分で作る
オンボーディング資料の作成も、Copilotが得意な領域です。「営業職の新入社員向けに、入社初週のチェックリストを作成して。IT環境の準備・社内システムのIDとパスワード確認・部門紹介の3項目を必ず含めること」と指示すれば、手を加えるだけで使えるドラフトが10分以内に完成します。
部門や職種ごとに案内資料のテンプレートを用意するのが理想ですが、それを作る時間がなかった——という担当者は多いはずです。Copilotを使えば、ゼロから作る必要がなくなります。
大和財託が31.2%削減した実践の共通点
不動産投資会社の大和財託株式会社は、Microsoft 365 Copilotを全社展開し、月間業務時間を31.2%削減(約3,608時間)した事例を公開しています(参照:Voix)。文書作成・メール対応・会議の要約を中心に活用した結果です。
HR部門でも同じアプローチが使えます。求人票の作成、内定通知メールの文面調整、面接後のフィードバックまとめ——繰り返し発生するドキュメント業務のほとんどは、Copilotが下書きを作れます。手が動く前に「AIに何を伝えれば欲しいアウトプットが出るか」を考えることが、使いこなしの入り口です。
スキルマップの更新もTeamsとExcelで自動化できる
組織のスキルマップ管理は、作成より更新が大変です。Excelで管理している社員スキルデータをもとに「未充足のスキルギャップを一覧にして」と聞くだけで、研修計画の議題リストが出てきます。
Teams上のCopilotも活用できます。部門ミーティングの議事録を要約させ、「採用・育成課題として挙がった項目を箇条書きで出して」とフォローアップすれば、スキルマップ更新に使えるインプットが自動で揃います。CopilotのAIモデルを使い分ける方法を知っておくと、採用・HR業務の種類に応じて最適なAIを選べるようになります。
コピペで使えるプロンプト集
① 書類選考の一次スクリーニングを依頼する
採用活動の書類選考で応募者の一次評価を効率化したいとき
あなたは採用担当のアシスタントです。 以下の採用要件と応募者一覧をもとに、一次選考を通過すべき候補者を絞り込んでください。 【採用職種】 【必須要件】例:Excel中級以上、営業経験3年以上 【歓迎要件】例:SFA使用経験、英語日常会話レベル 【応募者データ】(氏名・経歴・スキルを貼り付け) 出力形式: - 通過推奨の候補者リスト(氏名・通過理由・懸念点) - 保留候補(理由付き) - 落選候補(理由付き) 判断が難しい場合は保留に分類し、最終判断は私が行います。
② 職種別オンボーディングチェックリストを作成する
新入社員の受け入れ準備で部門ごとの案内資料を作りたいとき
あなたは社内研修担当のアシスタントです。 以下の条件で、新入社員向けのオンボーディングチェックリストを作成してください。 【職種】例:営業職 【入社初週に完了すべき項目】例:PCセットアップ、社内システムIDとパスワード確認、部門メンバーへの挨拶 【1か月以内に完了すべき項目】例:業務フロー理解、担当顧客リスト確認 出力形式: - 初日チェックリスト(箇条書き・担当者付き) - 初週チェックリスト - 1か月チェックリスト 各項目に「誰が対応するか(本人・上司・IT部門など)」を明記してください。
③ 部門のスキルギャップを分析して研修課題を洗い出す
スキルマップを更新し次期研修計画の優先テーマを決めたいとき
あなたはHRコンサルタントのアシスタントです。 以下の部門スキルマップをもとに、スキルギャップの分析と研修課題の提案をしてください。 【部門名】例:マーケティング部(8名) 【現在のスキルデータ】(社員名・保有スキル・レベルを貼り付け) 【半年後に必要なスキル】例:生成AIツール活用、データ分析(BIツール) 出力形式: 1. ギャップが大きいスキル上位3つ(理由付き) 2. 優先研修テーマの提案(各テーマに対象者・推定時間を付記) 3. 即戦力の社員(社内メンターとして活用できる人材) 数値で示せる箇所は数値で、曖昧な部分は「要確認」と記してください。
人事の仕事って、やることが多いのに目に見えにくいですよね。書類選考も、入社準備も、スキルマップの更新も——ぜんぶ大事だからこそ、どれも省けない。
Copilotが下書きを作ってくれるだけで、こんなに気持ちが楽になるのか、と驚く担当者も多いと思います。ゼロから作る必要がなくなるだけで、仕事の重さがかなり変わります。
まずは採用メールの文面を1本、Copilotに作らせてみてください。