コンセプト会議の前日、競合5社の動向を手で調べていた。メーカーのサイトを確認して、ECのレビューを読んで、スプレッドシートに打ち込む。気づけば3時間が経っていて、会議で実際に使ったのは2スライド分だけだった。
商品企画やR&D担当に、この「情報収集の沼」を経験したことがない人は少ない。問題は調査の精度ではなく、そこに費やす時間だ。
Perplexityが市場調査の時間を変える理由
Perplexityは、リアルタイムのウェブ検索を統合した対話型AIツールだ。「この市場の最新トレンドを教えて」と入力するだけで、複数のソースを参照しながらまとめた回答が5〜10分で返ってくる。
たとえば「豆乳市場の国内競合動向と消費者ニーズを整理してほしい」と頼むと、最近のニュース・業界レポート・口コミを横断した情報が揃う。ChatGPTと大きく違うのは情報が最新であること。公式発表や業界メディアの引用が付くので、根拠を確認しながら使える。
特許情報を絡めてR&Dの競合分析をさらに深めたいときは、特許調査・競合分析で時間を溶かさないためのAIワークフローも参考になる。
マルサンアイが49%削減した「コンセプトシート」の話
豆乳・みそを手がけるマルサンアイ(愛知県)は、商品コンセプトシートの作成に生成AIエージェントを導入した。市場情報の収集・分析・文書化の一連の工程をAIが担うことで、作業時間を約49%削減した(2026年6月プレスリリースより)。
担当者の仕事が変わったというよりは、「時間の使い方が変わった」という表現が近い。情報を集める作業にかけていた時間が減り、集まった情報をどう解釈してコンセプトに落とすかという判断部分に集中できるようになった。
Perplexityに任せられる調査の3パターン
商品企画の実務でPerplexityが使いやすいのは3場面だ。
一つ目は競合製品の比較調査。「カテゴリ名+主要ブランドの特徴・価格帯・訴求軸を一覧表にして」と頼むと比較表の下書きができる。二つ目は消費者ニーズの整理。「〇〇カテゴリで消費者が感じている不満と求めていることを、ECやSNSの反応を参考に整理して」という使い方だ。三つ目はコンセプトの複数案出し。ターゲット層と製品特徴を渡して「コンセプト案を3〜5パターン出してほしい」と頼むと、たたき台が並ぶ。
出てきた内容をそのまま使うのでなく、担当者が精査するのが前提だ。外れた提案でも、議論のとっかかりになる。
「集める」をAIに渡すと「決める」時間が増える
商品企画の本質は情報収集でなく、消費者視点での意思決定だ。AIに渡せる部分を切り出すことで、コンセプト会議の準備が半日から2〜3時間に縮まる担当者が増えている。
最初から全部任せようとしなくていい。「競合調査の下調べだけPerplexityに頼む」ところから始めると、どこが使えてどこに自分の判断が必要かが1回で分かる。
コピペで使えるプロンプト集
① 競合製品の比較調査プロンプト
コンセプト会議前の競合ベンチマーク調査
あなたは市場調査の専門家です。【対象カテゴリ(例:豆乳・植物性ドリンク)】について、国内の主要競合ブランドを【5〜7社】調べてください。各ブランドについて以下を表形式でまとめてください。①ブランド名・メーカー ②主な訴求軸(健康・機能・味わい等) ③価格帯 ④主なターゲット層 ⑤最近の新製品・リニューアルの動向。各項目には情報源のURLも添えてください。
② 消費者ニーズ・不満発見プロンプト
新製品コンセプト立案・インサイト抽出
あなたはマーケティングリサーチャーです。【カテゴリ(例:健康食品・プロテイン飲料)】について、消費者が感じている不満や充足されていないニーズを調べてください。ECサイトのレビュー・SNSの反応・業界レポートを参考に、①消費者が感じている不満(3〜5件) ②市場にない・少ない機能や価値 ③特に声が多い消費者属性、の3点を整理してください。根拠の情報源も添えてください。
③ コンセプト方向性の複数案生成プロンプト
新製品・リニューアルのコンセプト立案会議前
あなたは商品企画のコンサルタントです。以下の情報をもとに、新商品のコンセプト方向性を3〜5パターン提案してください。【製品カテゴリ:○○】【想定ターゲット:○○(年代・性別・ライフスタイル)】【自社の強み:○○】【解決したい課題:○○】各案には①コンセプト一行タイトル ②訴求軸と差別化ポイント ③想定する使用シーン を含めてください。案の一覧を先に出し、次に各案の詳細を書いてください。
「調べ終わった頃には会議が終わってた」——その感覚、あるある過ぎますよね。
情報収集って、本当は判断や解釈よりずっと機械的な作業なんですよね。Perplexityに任せると、それがよくわかります。
まず競合調査の下調べだけ、1回AIに頼んでみてください。意外とすんなりいきますよ。